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今月のおすすめ絵本

・めっきらもっきらどおんどん 出版社　：福音館書店 著者　　 ：長谷川　摂子 定価　　 ：￥９７２- 対象年齢： ４歳〜

子どもの頃、自分だけの秘密の場所を持っていましたか？その秘密の場所では、不思議なことも起こりうる子どもにしか味わえないことや、空想の世界が繰り広げられたはずです。
そんな懐かしい気持ちをよみがえらせてくれる絵本をご紹介させていただきます。
真夏のある日、遊ぶ友だちがいないので、神社へ探しにやってきたかんたは、そこにも誰もいないのでしゃくにさわって、大きな声で歌をうたってやりました。「ちんぷく　まんぷく　あっぺらこの　きんぴらこ　じょんがら　ぴこたこ　めっきらもっきら　どおんどん」すると、奇妙な声が神社の大きな木の根元の穴の中から「こっちゃこい　こっちゃこい、こっちゃきて　うたえ」と呼ぶのです。穴をのぞいたかんたは、ひゅうっと夜の山へと吸い込まれます。

そこへ、へんてこりんな化け物の３人組が飛んできました。白狐のお面のような「もんもんびゃっこ」、炎のような髪の毛の「しっかかもっかか」、白ひげ和尚のような「おたからまんちん」と名のる3人組はかんたに遊ぼうと言います。「ばけものなんかとあそぶかい」とかんたが言うと、たちまち３人は大声で泣き出してしまいます。あまりに泣き声が大きいので仕方なく遊ぶことにしたかんたは、風呂敷をまいて飛ぶモモンガーごっこや月まで届くなわとびなど、夢中で遊びます。さんざん遊んで３人のおばけたちが眠ってしまうと、かんたは１人で心細くなってきました。夜空にむかって大声で「おかあさーん」とかんたが叫ぶと、突然、夜空に日の光がさしこんでかんたの体はくるくるくる…神社に戻っていたのです。

幼いかんたが味わった、この不思議な人たちとの出会いの物語は、たちまち子どもたちを魅了してしまうことでしょう。子どもは未知のものへの好奇心が強いのでかんたがうたったあの歌をうたったら、読み手の子どもたちもかんたと一緒に穴の中に連れて行くことができるのです。子どもはこういう絵本を怖がらないかしらと思われる方もいらっしゃるでしょう。子どもたちは手渡してくれる大人の気持ちしだいで物語を好きになったり遠ざけたりしがちです。
「ちんぷく　まんぷく　あっぺらこの　きんぴらこ　じょんがら　ぴこたこ　めっきらもっきら　どおんどん」と、かんたの気持ちになって、少々やけ気味にいきいきとうたって下さい。暗闇に飛んできた３人のばけものたちは名前もおかしければ、見かけも変です。かんたの「ばけものなんかとあそぶかい」の言葉に、泣き出した３人を見て自分とおんなじ子どもみたいと、読んでる子どもたちもいっぺんに嬉しくなってしまうはずです。
人々の表情や動きを伸びやかにとらえる躍動感あふれる絵が、自在に語る文章に弾みをつけ、夜の世界を温かくあぶりだしてくれます。読む回数が増えるにつれ、歌も会話も登場人物たちと一体化していくところがこの絵本を読む醍醐味と言えるでしょう。
　　　　　　

今月の木のおもちゃ

　数学的な脳を創ると世界中の教育者から絶賛されているゲームです。
12種類のペンタミノ（どれも５つの正方形を合わせた形）を組み合わせて遊びます。その組み合わせは何と約３万６千通り、できるパターンは５００通りです。
マス目の範囲で難易度の設定ができるので、小さな子どもから大人まで楽しめます。
写真１の真ん中の木の棒を３にセットします。「スモールスラム」PENTA３に挑戦です。表の左から３つの指定された３つのペンタミノを上手く組み合わせてスペースを埋めます。わりと簡単にできるので次は木の棒を４にセット。今度は１つ増えて４つのペンタミノでスペースを埋めます(写真２)。１つ増えただけなのに一気に難易度が上がります。しかしPENTA３をA〜Gまで７通りやってみた後にやるとPENTA４がスムースにできるのです。数学的な脳ができてくるのを実感できますよ。
組み合わせのパズルですと子どもはすぐに絵柄を覚えてしまいますが、カタミノはその度に形を変え、ひっくり返った形まで想像し組み合わさなければなりません。子どもよりもむしろお父さんの方がハマって、「子どもが寝た後にお父さんが毎晩遊んでいます。」とよく聞きます。
素材はぬくもりのあるブナ材で作られており、つみ木としても遊べます。
フランスの世界的名門「ギガミック社」のゲームは世界中で多くの賞を受賞しています。