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絵本_たなばた
たなばた
出版社 :福音館書店
著者   :君島久子
定価   :¥972-
対象年齢: 3歳〜

昔、天の川の東に七人の天女がいました。天の川の西は人間の世界で、そこに一人の牛飼いが年とった牛と暮らしていました。
ある日、天女が川に水浴びにきていると牛から聞いた牛飼いは、牛から言われたとおり織姫の着物をかくしてしまいます。「どうか私の妻になってください。そうすれば、この着物をお返しします」と牛飼いが頼むと、織姫はとうとう牛飼いと結婚することを決めました。



絵本_たなばたやがて、男の子と女の子が生まれ幸せに暮らしますが、天の王母さまに叱られ、織姫は高い高い天へ連れ戻されてしまいます。牛飼いは悲しみ、子どもたちをかごに入れてかつぎ、織姫の後を追いかけました。昼も夜もかけてかけてかけ続けました。ところが天の川まで来ると、いつの間にか天の川は消えてなくなっていました。牛飼いが追いつけないように王母さまが空高く引き上げてしまったのです。親子はがっかりして家へ帰り、いつまでも泣いていました。すると年とった牛が言いました「泣くのはおよし。私が死んだら皮をはいで、着物をつくりなさい。それを着れば天まで昇っていけます」。そう言い終わると牛は、ばったり倒れて死んでしまいました。
牛飼いは言われたとおりに、牛の皮を着てまた子どもかつぎ、ひしゃくを持って、空高く昇って行きました。天の川のそばまで来たときです。突然、王母さまがかんざしを抜いて天の川に線をひきました。すると浅かった天の川が、みるみるうちに、ごうごうと波のさかまく天の川に変わってしまったのです。
行く手を阻む天の川の水をひしゃくで必死にくみ続ける親子の姿を見て、王母さまは織姫に一年に一度、毎年七月七日にかささぎがかける橋を渡って会うことを許しました。

絵本_たなばた七夕に雨が降るのは織姫が流す涙なのです。夏の夜空に白く見える天の川。その両側に強くきらめく二つの星が、牛飼いと織姫です。そして、牛飼いのそばに、二つ並んだ小さな星。あれが二人の子どもたちです。
たなばた伝説の絵本はいろいろ出版されていますが、この作品は中国の話を再話としたものです。踊るようなリズムをもった線と淡い水彩の絵は、幻想的な物語の世界へいざないます。日本でも子どもたちに伝承されているたなばたの行事と関連して、このスケールの大きい牛飼いと織姫の悲しい愛の物語を子どもたちに伝えていきたいものです。。

           




絵本くだものだもの
くだものだもの
出版社 :福音館書店
著者   :石津 ちひろ
定価   :¥972-
対象年齢: 2歳〜

今月は、夏に向かうこの時季にふさわしい海水浴場をテーマにした言葉遊びの絵本をご紹介させていただきます。
まず表紙を開くと、スイカの家の前に海水浴の準備をしたイチゴとキウイとバナナが立っています、次のページには玄関先で「かいすいよくにはいかないスイカ」とリズミカルにつづられた言葉とともに、思わず笑ってしまうようなスイカが断っている姿が目に飛び込んできます。
「キウイうきうきうきわでおよぐ」、「バナナはなんばん?ななばんよ!」、「マンゴーのまご、まごまごまいご」などと幼い子も真似て口ずさんでしまうような楽しい言葉が次々飛び出します。

舞台は真夏の海水浴場。思わず笑ってしまうような果物たちのユーモラスな行動を描きます。果物たちは、擬人化されながらも本物の果物のような質感で描かれ、色鮮やかでなんとも魅力的な絵に仕上がっています。
何回も読みたくなるほど楽しい絵本なので、幼い子どもはすぐに暗記してしまうでしょう。親子で言葉を遊びを楽しんでみて下さい。

絵本くだものだもの  絵本くだものだもの

                シリーズの「おやおやおやさい」を見る



せんたくかあちゃん 絵本
せんたくかあちゃん
出版社 :福音館書店
著者   :さとう わきこ
定価   :¥972-
対象年齢: 5歳〜

せんたくのだいのだいのだいすきなかあちゃんがいました。
かあちゃんは、腕まくりをしてうちじゅうのせんたくものをたらいにほうり込みます。
カーテン、ズボン、チョッキ、靴下、パンツにシーツ…ごしごしあっという間に洗ってしまいました。
うちじゅうのせんたくものを洗ってしまったかあちゃんは、子どもたちに「何か洗うものをさがしといで」と言って、猫も犬も靴も傘もおまけに子どもたちまであっという間に洗ってしまい、木に縄を張って干していきます。
 その光景を目にした読者の子どもたちは「あっ、とけいも洗っちゃった」、「ねずみも干してある」、「子どもたち、はだかんぼだよ」と、クモの巣のように張りめぐらした縄に洗たくバサミでとめられたものたちを見て次々に声が上がることでしょう。せんたくかあちゃん 見開き1子どもは細かく描き込まれた絵を一つ一つ発見するのが得意ですよね。
 その様子を雲の上から見ていたかみなりさまが、干してあるへそをねらってやってきますが、縄にひっかかりかあちゃんに見つかってしまいます。

「おへそをとりにきた」と言うかみなりさまに腹を立てたかあちゃんが、かみなりさまをたらいにほうり込み洗ってしまうと、しわくちゃで目も鼻も口も消えてなくなってしまいました。代わりにかわいい顔を描いてやるとかみなりさまは喜んで空に帰って行きました。
せんたくかあちゃん 見開き2次の朝、かあちゃんがまたせんたくを始めると、空からおびただしい数のかみなりさまが落ちてきて、「せんたくしてくれぇ、あらってくれぇ」と頼みます。みんなきれいに顔を描き直してほしいと言うのです。

空からたくさのかみなりさまが降ってきてどんどんお話しはエスカレートしていきますが、現実とはかけ離れた物語の世界に、この生活感たっぷりのかあちゃんの存在が読者の子どもたちを安心させ楽しませていくのだろうと思わずにはいられません。

「せんたくものをほしたあとはラムネをのんだみたいにすっきりするねえ」というかあちゃんの言葉に底抜けな明るさを感じます。このかあちゃんなら、どんな困難にであっても「よしきた まかしときい」と地に足を踏ん張って乗り切っていくでしょう。

このかあちゃんの魅力と現実感があるからこそ、かみなりさまを洗ったらしわくちゃで顔までなくなってしまうという途方もない展開を受け入れ、安心して笑って読みすすめれていけるのでしょうね。

            ーその他の「さとう わきこ」さんの絵本を見るー




あめふり 絵本
あめふり
出版社 :福音館書店
著者   :さとう わきこ
定価   :¥972-
対象年齢: 3歳〜

 1987年に刊行された「いそがしいよる」をはじめとし、現在絵本シリーズとしておなじみの「ばばばあちゃんのおはなし」の中から、梅雨を迎えるこの時季にふさわしい「あめふり」をご紹介させていただきます。

 ずっとずっと、雨がじとじと降っていたそんなある日、外に遊びに行きたくて困っていたばばばあちゃんは「ちょっとちょっと、くものうえのあめふらしさん。ときどきやすんじゃくれないかね」と空にむかって言いましたが、「やあーだよ。やなこった」という声がしてバケツの水をぶちまけたような雨が降ってきました。
怒ったばばばあちゃんは、暖炉やストーブにまきをたくさん入れて、こしょうやとうがらし入りのからいからい煙をつくります。あめふり 見開き1ばばばあちゃんの家の煙突からからいからい煙がたちまち空一面に広がったので、空ではかみなりたちが「ハックショーン!クショーン!」とあっちでもこっちでもくしゃみをはじめました。
そのくしゃみがあまりに大きかったので、雲がちぎれてかみなりも雲も地上のどろみずに落ちてしまいました。空はすっかり青空に。

あめふり 見開き2ばばばあちゃんは大喜びですが、かみなりたちは、しばらくばばばあちゃんの家に泊まって雲の洗濯に大忙しです。全部終わるまでに何日もかかりましたが、ばばばあちゃんは絶対に手伝ってはやりませんでした。
なぜって、毎日天気の方がみんな好きだったからです。
 いつも元気なばばばあちゃんは、ちょっぴり気が短いけれどガッツがあって行動的です。
そして、何より人情味あふれるキャラクターが子どもの心をひきつけるのでしょう。


            ーその他の「さとう わきこ」さんの絵本を見るー




まあちゃんのながいかみ
まあちゃんのながいかみ
出版社 :福音館書店
著者   :たかどのほうこ
定価   :¥972-
対象年齢: 3歳〜

今月は、次々と遊びを生み出す物語「まあちゃんのながいかみ」をご紹介させて頂きます。
まず、髪の毛がとっても長かったらどうする?という発想から物語を考え付く作者に感嘆しますが、髪の毛は伸ばそうと思えばだれでも伸ばす事ができるので、子どもたちにとっても身近で想像しやすいテーマのお話です。
お話の内容は、長い髪の毛を自慢する友だちに対抗して、自分はもっともっと伸ばして、その伸びた髪であんなこともこんなこともするんだと言う、まあちゃんのほらがリズミカルに展開し、最後にはお友達をうらやましがらせてしまいます。
お話の中で展開されていく髪の毛が長かったら何をするかというその一つ一つの例は、右と左のまあちゃんのながいかみおさげをピーンと張って木に結んで洗濯物を干したり、橋の上からおさげをたらして魚釣りをしたり、おさげをロープにして牛を捕まえたりと、不思議とリアリティーがあって、なるほどなるほどそういうことができまあちゃんのながいかみるよねと、子どもたちにも納得ができるのです。
すると、「自分もまあちゃんのようにいろんな事をしてみたい」「他にどんな事が出来るかな」という気持ちも自然に生まれてきます。
そして、「髪の毛が長いとこんなに楽しい事ができるんだから、他にどんな事だとおもしろいかな?」と、大人が少しつついてあげると、足が長かったら、手が長かったら、帽子が大きかったら・・・もし、もし、こんなだったら?と子どもたちはどんどん想像をふくらませて、身の回りのものでお話を作って遊びを始めます。
このように、物語絵本は、子どもたちをありえないような世界に連れて行ってくれる物語の醍醐味があります。是非、女の子だけでなく、男の子にも読んであげて下さい。




もりのひなまつり
・もりのひなまつり
著者:こいでやすこ
出版社:福音館書店
対象年齢: 3歳〜
価格: ¥864-
 小さな子どもの頃、人形を見て「夜、人が寝静まったあとに、動いたり何かをしているんではないか?」などと思ったことはありませんか?
おひなさまも同じように「夜になったら、この牛車に乗ってどこかに行くのかな?」、「お酒を飲んだり、ごはんを食べたりするのかな?」、「太鼓や笛で音楽を演奏するのかな?」などと想像をふくらませたものです。
この物語の中のおひなさまも、ねずみたちと楽しいひなまつりのお祝いをします。ひな壇にすましてお行儀よくすわっているだけのおひなさまが、愛らしくねずみたちと交流し華麗に舞う姿は、子どもたちにとっても興味深いものです。
ぜひ、ひなまつりの前にこの絵本を読んで、楽しいひなまつりを親子でわかちあえたらいいですよね。
<絵本の内容>
小さな森の近くの一件の家の蔵に、ねずみばあさんが住んでいました。
そこに、のねずみ子ども会から一通の手紙が届きます。手紙には、森のひなまつりをしたいので森へおひなさまを連れて来て下さいと書いてありました。
ねずみばあさんは、蔵の中に閉まってあるおひなさまを箱から出すと「大丈夫かしらねえ、うちの大事なおひなさまを森のひなまつりにお連れしても」と言うと、「大丈夫ですとも」と箱から出してもらったおひなさまが嬉しそうに言うので、「そうねえ、それじゃあ出かけましょうか」と森をめざします。
森で待っていたのねずみたちは、はじめて見るおひなさまがあんまりきれいなので、どきどきして何もいえません。
もりのひなまつり噂を聞きつけた森の動物たちもやってきました。
そして、森のひなまつりがはじまります。五人ばやしが笛や太鼓をならし、おはやしに合わせて三人かんじょが歌をうたい、お内裏さまがおどりを踊りました。

楽しいひなまつりが終わる頃、辺りがどんどん薄暗くなってきて、ちらちら雪が舞いはじめました。
「さあ、大変!急いで家に帰りましょう」こねずみたちは、急いでおひなさまを乗物にのせ、ねずみばあさんの家をめざして走りました。家に着いたときには辺りは真っ暗でした。
ところが、家に帰ってきたおひなさまの姿を見て、ねずみばあさんはあっと驚きました。
顔は真っ黒に汚れ、髪もぼさぼさです。
おひなさまもお互いの汚れた姿にやっと気づき「こんなに汚くてはうちのひなまつりに出してもれえまい」、「きっと捨てられてしまうにちがいない」と言って泣きだしました。
ねずみばあさんは、蔵の中を走りまわり糸や針や布を持ってきてやぶれた衣をつくろいました。
はけや筆、おしろいや紅、それに絵の具を探してくると、おひなさまの汚れた顔や手をきれいに塗りなおしました。
もりのひなまつり小さなくしで乱れた髪をととのえ衣を着せ、元どおりのきれいなおひなさまを箱に戻しました。
次の日、ねずみばあさんが目を覚ますと、座敷におひなさまがきれいに飾ってありました。

                 その他の「こいでやすこ」の絵本を見る




十二支のはじまり
・十二支のはじまり
著者: 岩崎京子
画家: 二俣英五郎
出版社: 教育画劇
対象年齢: 4歳〜
価格:1,296−
十二支のはじまり見開き1

十二支のはじまり見開き2

 今月は岩崎京子/作・二俣英吾朗/画の「十二支のはじまり」という絵本をご紹介します。
子(ねずみ)から亥(いのしし)までの12の動物達が並ぶ干支の順番の由来を、楽しい文章と絵で表現してある絵本です。 
正月の朝、御殿に来るよう神様に命じられた動物たち。「来たものから十二番まで、一年ずつその年の大将にする」と、言われたものだから自分こそ一番乗りだと動物達は大騒ぎ。牛は「わしはのろいからね。いまからいけばちょうどええ」と前の晩から出かけました。その背中にこそっと飛び乗ったずる賢いねずみ。足が速いのが自慢のトラやうさぎは「いざとなったらだれにもまけるもんか」と、ゆうゆうと出かけたけれどこれが油断というもの。前の晩に出発した牛やねずみにかなわず一番にはなれませんでした。
ねずみに嘘をつかれ、一日遅れて御殿についた「ねこ」は十二番の中に入れず、それからねこはねずみを見ると追いかけるようになったそうです。
それぞれの動物達の特徴をつかんだ愉快なストーリーの展開に子ども達は引き込まれるでしょう。昔話の語り口調に乗せられ自然に干支を覚えてしまったり、動物たちへの親近感が増す絵本です。




サンタクロースとぎんのくま
サンタクロースとぎんのくま
著者:マレーク・ベロニカ
出版社:福音館書店
対象年齢: 5歳〜
価格: ¥1296-
【サンタクロースとぎんのくま】
 人気絵本「ラチとらいおん」の作者として知られるハンガリーの絵本作家マレーク・ベロニカさんが日本の子どもたちに贈るクリスマス絵本です。
森のはずれに住むマルチとモニカに、サンタクロースからプレゼントが届きました。お兄さんのマルチにはぬいぐるみの銀のくま、妹のモニカにはまりでした。マルチは大喜びですが、モニカはマルチの銀のくまが欲しくてたまりません。
困ったマルチは、貯めていたお金でそっくりのくまをモニカに買ってあげようとおもちゃ屋に行きました。
しかし、銀のくまはありませんでした。がっかりしたマルチは家の前で雪だるまに話しかけます。「サンタクロースの所へ行ってごらん」と言われたマルチは、雪深い森を歩いてサンタクロースのもとへと向かいます。
サンタクロースとぎんのくま
サンタクロースとぎんのくま
やっとのことでサンタクロースに会えたマルチは、銀のくまをもう一つ手にいれることができましたが、帰り道に疲れきって雪の中で倒れてしまいます。
オオカミがマルチを乗せて全速力で走り、家まで送ってくれ、無事に家に帰って来ることができました。
妹を思う兄の気持ちはみんな同じなんでしょうね。自分がもらった銀のくまを妹にあげるのではなく、もう一つ同じものを手に入れようと頑張る姿に魅了されます。読み終わると幸せな気持ちでいっぱいになる心温まるクリスマス絵本です。





エリーちゃんのクリスマス
エリーちゃんのクリスマス
著者:メアリー・チャルマーズ
出版社:福音館書店
対象年齢: 3歳〜
価格: ¥864-
「エリーちゃんのクリスマス」
 小さなエリーちゃんは、犬のハリーと一緒に森からモミの木を運んできました。家では、うさぎのアリスとねこのヒラリーがエリーちゃんたちの帰りを待っていました。
みんなで暖かいココアを飲んだ後、クリスマスツリーの飾り付けをしました。ようやく飾り付けが終わる頃、ツリーのてっぺんに飾るお星さまがないことに気がつきます。
エリーちゃんは「お星さま探しに行って来る」と、雪の中を飛びだしました。女の人に会いましたが、お星さまは持っていませんでした。そして、いつのまにか森に迷い込んでしまいました。青い鳥が森の出口を教えてくれましたが、青い鳥もお星さまを持っていませんでした。
エリーちゃんのクリスマス
エリーちゃんのクリスマス
暗いほら穴に5羽のふくろうがいたので「ここにお星さまありますか?」とエリーちゃんは聞きましたが、やっぱりありませんでした。すると、向こうからサンタさんがやってくるではありませんか!エリーちゃんはサンタさんに言いました。「クリスマスツリーのお星さまを探しているんです」。「ほうほう、そうかい。お星さまならこの中にあるかもしれんぞ」サンタさんが袋の中を見せてくれました。
小さな冒険にはハラハラドキドキがいっぱいです。雪の中を一人歩くエリーちゃんの小さなうしろ姿がなんとも言えず愛おしく目に映ります。表紙を開くと、小さなかわいいクリスマスツリーの飾りやおもちゃ、クッキーなどがたくさん描かれています。「エリーちゃんのクリスマス」は、小さな子どもたちだけの、子どもの国のクリスマスです。




ゆきのひ
ゆきのひ
出版社 :偕成社
著者   :エズラ・ジャック・キーツ
翻訳者 :木島 始
定価   :¥1,296-
対象年齢: 4歳〜

ゆきのひ

ゆきのひ

今月は、アメリカの人気絵本作家エズラ=ジャック=キーツの絵本「ゆきのひ」をご紹介させて頂きます。
この絵本は、1963年度のコルデコット賞に輝いた作品です。コルデコット賞というのは、1年間にアメリカで出版された絵本の中で、最も優れたものに与えられるという作品ですから、この「ゆきのひ」がきわめて多くの人々の眼を引いたことは間違いありません。何が「ゆきのひ」の中で注目を集めたのでしょうか?
 ある朝、目を覚まして窓の外を見ると大雪。ピーターは赤いマントを着て外へ飛び出します。一足一足、雪に足跡をつけたり、木を棒でつついたり、ゆすって雪を落としたり、雪の上に寝転んで人型を天使の形に作ったりします。そして、明日の雪合戦のために雪だんごを作りポケットにしまい、明日に備え家に帰ります。お風呂の中でも、ベッドの中でも、夢の中でも、ピーターは雪遊びのことで頭がいっぱいです。
 シンプルなストーリーですが、ピーターという黒人の坊やの雪で遊ぶ姿に、思わず話しかけてやりたくなるような親しみ深さを感じます。しっかりと、遊ぶことを思いっきり楽しんでいる子どもの世界に引き寄せられるます。
切り紙や張り紙を駆使し、素朴な色とその組み合わせが素晴らしく、穏やかなストーリーと落ち着いたイラストがうまく調和しているからこそ、ふわふわの雪が降り積もった静けさを自然に感じさせてくれます。大人にとっても子どもにとっても、一面の銀世界は心が躍るものですよね。そんな喜びを感じさせてくれる絵本です。

ピーターの絵本は、シリーズになっています。 コチラ




だっこして だっこして
作者:西巻茅子
発行:こぐま社
定価:¥1080-
対象年齢:0歳〜

だっこして見開き1

だっこして見開き2


わたしのワンピース わたしのワンピース
作者:西巻茅子
発行:こぐま社
定価:¥1188-
対象年齢:3歳〜

わたしのワンピース見開き1

わたしのワンピース見開き2
今月は西巻茅子さんの「だっこして」を紹介します。
子どもは狭い空間にいると精神的に安心できます。心や身体の疲れた子どもが、押し入れや部屋の隅などにもぐり込むのはそのためですね。その中でも一番安心できて大好きなのが、お母さんやお父さんにだっこしてもらった狭い空間です。
その安心を求めてカンガルーの赤ちゃんも、ひよこの坊やも、くまの子ちゃんも「だっこして」とねだります。そうするとお母さんやお父さんがいろいろなだっこをしてくれます。最後に、はなこちゃんもお母さんにだっこしてもらって、ゆうらりゆうらりねんねんよ。
もう1ページ増して、○○ちゃんもだっこしてあげましょう。
あたたかい声で、やさしい声で読んでもらって嬉しい子どもが最後にだっこまでしてもらって・・・。子どもの笑顔が見えるようです。
もう少し大きな子どもに、同じ作者「西巻茅子」さんの「わたしのワンピース」もおすすめです。40年前に書かれたこの絵本は現在177刷です。
のびやかな線と明るい色の絵に、リズミカルな文章で子どもたちの心をはなしません。
どちらの絵本も共通しているのは描かれた主人公が生き生きしている事です。




ごろごろにゃーん
ごろごろにゃーん
出版社 :福音館書店
著者   :長 新太
定価   :¥972-
対象年齢: 2歳〜

ごろごろにゃーん


ごろごろにゃーん


「ごろごろにゃーん」
 今月は、ナンセンス絵本の代名詞といえる長 新太さんの絵本「ごろごろにゃーん」をご紹介させて頂きます。
 赤ちゃんの笑いはどこからくるのだろう?と考えたとき、赤ちゃんをあやしたときのことを考えてみます。抱いて揺すっているうちに、急に大きく揺すったりすると「きゃっきゃっ」と笑います。単調なリズムが突如変化すると笑いがこみ上げるようです。子どものブランコを揺すってあげているときも同じことが考えられます。揺れの強弱をつけると急に強くなったときに笑うようです。この弱、弱、弱・・・強のリズムが視覚と結びつくと「いない いない ばあ」になると思いませんか?「いない いない ばあ」の絵本は、赤ちゃんの絵本の中でも一番人気があり、ご存知の方も多いと思います。さて、このリズムの絵本が他にもないかしら?と思ったときにお薦めしたい絵本が「ごろごろにゃーん」です。ただひたすら続く「ごろごろにゃーん ごろごろにゃーんと、ひこうきは とんでいきます」の繰り返しは、一つずつ読み方を変えた方がいいのか?それとも、ただ単調に読んだ方がいいのか?と読み方の工夫を考えたりもしますが、意外に調子を変えずにそのまま読んであげても、子どもたちは、ぱっと食いついて、くすくす、げらげら大笑いを始めるはずです。
 絵本を読んであげていて一番気持ちいいのは、子どもたちがその絵本の世界に溶け込んでいくような、絵本と一体となっていくような感覚を味わったときですよね。大人の眼で見ていてわからない新しい世界がここにはあって、子どもたちは違う読み方、受け入れ方をするのかもしれないと感じさせてくれる絵本です。


その他の「音・言葉を感じる絵本」はこちら




にゅーするするする
にゅーするするする
出版社 :福音館書店
著者   :長 新太
定価   :¥864-
対象年齢: 2歳〜

にゅーするするする


にゅーするするする


 もう一冊、長 新太さんの魔法の世界が広がる絵本「にゅーっするするする」をご紹介させて頂きます。
 地面から巨大な手が一本「にゅー」っと出てきます。その手がくにゃりと曲がったかと思うと、いきなり車を運転手を乗せたままつかみ、するするするっと地面に引き込んでしまいます。このあやしい手は次々に犠牲者を見つけ、いろいろなものを地の底に引っ張り込んで隠してしまうのです。猫や大きな飛行機、フライパンを持ったお母さん、鞄を持ったお父さんまでも・・・しかも、その手は最後に、読み手の口を封じるかのように人差し指を立てて、「しいーっ だれにもしゃべってはいけない」と言ったかと思うと、その手はするする地面の中に消えていきます。
例えば、日常につながる路地のレンガ塀やエレベーターの中からにゅーっと手が出ると想像したら怖いですよね?それは、ホラーの世界です。子どもの遊びの世界とは言えなくなってしまいます。でも、長 新太さんの魔法の世界は、その遊びを保証しています。夕焼け色に染まった怪しげな空気が漂う大地と空、表紙を見ただけで、こんな場所は現実ではないと子どもにも解ります。絵として、ありありと超現実の世界を体験してしまうわくわく感と、その背後にある安心感とで遊びが成り立っています。砂漠とも思われるような赤い地面から出てくる手に捕えられるのは、アフリカのサバンナにいるようなライオンやシマウマではなく、フライパンを持ったお母さんやサラリーマン姿のお父さんです。状況がリアルになりすぎず、その突拍子のなさがたまらなくおかしい、でも、事態は少し怖いといった感じでしょう。そして、「しいーっ だれにもしゃべってはいけない」と、悪ふざけして遊ぶ指がこちらに話かけてくる。この一言で読み手の子どもは共犯者の気分にさせられぞくぞくします。子どものいたずら好きの本質をかりたてるといったとこでしょう。こういった「ふざけ」とも呼べる長 新太ワールドが子どもたちは大好きです。


その他の「長 新太の絵本」はコチラ




絵本:こぐまちゃんのみずあそび
こぐまちゃんのみずあそび
著者: わかやまけん
出版社: こぐま社
対象年齢: 1歳〜
価格: ¥864-

絵本:こぐまちゃんのみずあそび

絵本:こぐまちゃんのみずあそび
<こぐまちゃんのみずあそび>
今月は、夏まで待ちきれない子どもたちに、「こぐまちゃんのみずあそび」をご紹介致します。
こぐまちゃんの毎日の仕事でもある、花に水をあげることから始まり、いたずら的水遊びに、こぐまちゃんが上手く道具を使います。
じょうろ、ホース、洗面器などから葉っぱやアリまでもが、いたずらの手伝いに活かされます。次々といたずらは発展し応用され、花に水をかけたら池の金魚や庭のアリ、そしてしろくまちゃんとの水かけっこに移り広がります。
思いつきをぱっとやる幼児の心境がうまく描かれ、子どもの本物の遊びが見事に表現されている絵本です。
おもしろいのであれこれ工夫し、うまくいくと喜び、失敗したら自分でやり直す。そんな創造性への芽を子どもたちに育んであげたいものですよね。



その他の「こぐまちゃんシリーズ」を見る




絵本:星座を見つけよう
星座を見つけよう
著者: H.A.レイ
翻訳: 草下英明
出版社: 福音館書店
対象年齢: 5歳〜
価格: ¥1,620-

絵本:星座を見つけよう

絵本:星座を見つけよう
「星座を見つけよう」
もう一冊、夏の絵本にふさわしい「星座を見つけよう」をご紹介させて頂きたいと思います。
夜、星が輝きだすと、空はいきなりものすごく大きな絵本に変わってしまいます。空を見上げると、ライオンや、くじらや、ワシや、はくちょう、いぬ、うさぎ、その他たくさんのものが見られます。それをどうやって見つけだすかを教えてくれる星座入門絵本です。
いくつかの星を線でつなぐと、いろいろな形ができます。そして、それを見つけだすのは、とても楽しい遊びですよね。北斗七星、おおぐま座、うしかい座、しし座を例に解りやすく解説し、星座の名前の由来や惑星についても知ることができます。
星座にまつわるエピソードがユーモラスな筆致で書かれ、子どもに解りやすく、そして覚えやすく説明されているので、星に興味がなかった子どもたちにもおすすめの絵本です。
親子でこの夏、星座探しのゲームを楽しんではいかがでしょうか?

その他にも、夏の絵本をたくさんご紹介しております。
下の「季節の絵本特集夏の絵本」をご覧ください。



コッコさんとおめふり
コッコさんとあめふり
著者:片山 健
出版社:福音館書店
対象年齢: 2歳〜
価格: ¥972-

「コッコさんとあめふり」
 幼い頃の雨降りの日、外にも行けず雨がやんでくれたら外に出て遊べるのになあ〜と思い、てるてるぼうずに願いをこめてつるす。
ほとんどの人がそんなことをした記憶があるのではないでしょうか?子どもの頃、誰しもが一度は作ったことのあるてるてるぼうず。
それは晴れを待ち望む純粋な願いがこめられた特別なものだったはずです。そんなてるてるぼうずがコッコさんという女の子によって、まるで生きているかのように表情豊かに登場する絵本「コッコさんとあめふり」をご紹介させて頂きます。
 
毎日毎日雨降りです。コッコさんはてるてるぼうずを作ります。「てるてるぼうず てるてるぼうず あした てんきにしてください」。でも、次の朝も雨はまだ降っていました。今度はてるてるぼうずの中に手紙を入れてお願いしました。でも、次の日もやっぱり雨降りでした。
コッコさんとおめふり
コッコさんとおめふり
今度こそはとコッコさんは宝物をいっぱい入れました。てるてるぼうずはまるまる太ってしまいましたが、それでもそれでもやっぱり雨降りだったのでコッコさんはてるてるぼうずが疲れているんだと思い、布団をしいて寝かせてあげることにしました。
「てるてるぼうず てるてるぼうず あしたは きっと きっと てんきになるよ」。
てるてるぼうずの布団の横に寝るコッコさんのやさしい看病のかいがあってか光り輝く青空が広がります。

 著者の片山 健さんは娘さんが実際にてるてるぼうずを作り、そこに手紙やおもちゃ、宝物などを入れて熱心にお願いしていた姿にヒントを得て、このお話を作くられたそうです。子ども時代の大切な一瞬をあたたかなまなざしで見つめ描かれた作品です。透明感あふれるみずみずしい色彩で彩られた雨の風景もまた魅力的な絵本です。


コッコさんのおみせ
コッコさんのおみせ
著者:片山 健
出版社:福音館書店
対象年齢: 2歳〜
価格: ¥972-
「コッコさんのおみせ」
そしてもう一冊ご紹介させて頂くのは、幼い子どもの頃によくやったおままごと遊びの絵本「コッコさんのおみせ」です。
お店屋さんごっこは男女問わず楽しい遊びの一つだったにちがいありません。コッコさんもその一人、ありったけのビー玉やおはじき、おもちゃを使ってお店屋さんを開きます。さて、どんなお店やさんを開くのでしょうか?

「パチ パチ パチ いらっしゃい いらっしゃい おいしい ケーキや ジュースですよ」。コッコさんはお菓子屋さんをはじめましたが、お客さんはだれも来ません。今度は、くだものやさんになりました。「あまーい イチゴや サクランボは いかが?」お客さんはだれも来ません。今度は、カレー屋さんになりました。「おいしい カレーに サラダですよ」。やっぱりお客さんは来なかったので、コッコさんはお客さんを呼びにいきました。
コッコさんのおみせ
コッコさんのおみせ
「ねえ おにいちゃん、たべにきて」。
おにいちゃんは巨人になって怪獣と闘っている最中でした。「ねえ おとうさん、たべにきて」おとうさんは新聞を読んでいます。
「ねえねえ おかあさん、たべにきて」。
おかあさんは本当のごはんを作っています。
そこで、コッコさんは出前をすることにしました。「ねえ おにいちゃん、たべて」。
おにいちゃんはカレーを一口食べました。
「ねえ おとうさん、たべて」。おとうさんはカレーを一口食べて、ちょっと考えて言いました。「カレーは もっと からくなきゃ」。
それでコッコさんがうんとからくすると、おとうさんはカレーを何度もおかわりしました。
「ねえねえ おかあさん、たべて」。おかあさんはカレーを一口食べると「ごちそうさま」と言いました。カレーとサラダが売り切れて、コッコさんがお店に戻ってお茶を飲んでいると、とてもいいにおいがしてきました。「コッコさん、ごはんよ」。おかさんが呼んでいます。コッコさんが行ってみると、テーブルにはおいしそうなカレーとサラダ。コッコさんの大好きなおかあさんが作ったカレーとサラダが待っていました。
色とりどりのおもちゃで見たてた食べ物は、子ども心にとてもおいしそうに見えたものです。でも、大好きなおかあさんが作った本物のごはんは格別ですよね。子どものごっこ遊びをとおして、ありふれた風景の中に家族の温かさを感じさせてもらえる絵本です。




おしいれのぼうけん
おしいれのぼうけん
出版社 :童心社
著者   :ふるたたるひ
      /たばたせいいち
定価   :¥1404-
対象年齢: 5歳〜

今月は、1974年に出版された絵本で、当時の幼年童話の傑作と言われ、そして今もっていきいきと語りかけ、楽しませてくれる物語「おしいれのぼうけん」をご紹介させて頂きます。
この物語は、普段子どもたちが過ごしている保育園の風景を違った物に見せてくれます。
さくら保育園にはこわいものが2つありました。言う事聞かない子が入れられる押入れと、そこにいると言われている「ねずみばあさん」です。押入れの奥には見知らぬ夜の街が広がっていたのです。
怖さとか恐ろしさはおもしろさとは紙一重で、物語の楽しみをしっかりと支える要素であり、子どもの感性を深める働きをする、子どもの感情体験には不可欠な物です。
ただし、それには物語ををする大人の語り手の温かい人間性と、子どもへの愛情がともなわないと、単にこわがらせるだけの結果となり、物語る意味が失われてしまいます。物語の質以上に、おしいれのぼうけん読み手と聴き手の信頼関係が大事なのです。
ある日、先生の注意を聞かなかった「あきら」と「さとし」は押し入れに入れられ、戸を閉められてしまいました。すでに悪さをして押し入れに入れられた経験のある子どももいるでしょう。また、友だちの家でかくれんぼしていて、押し入れに隠れた事のある子どももいるでしょう。押入れのこわい不思議な空間を経験済みな子どもはたくさんいるはずです。こうした経験が物語という別世界に入り込む力となり、成長して本格的な空想物語や冒険物語を実感できる感性と想像力を養う基盤となるはずです。

おしいれのぼうけん空想物語はそこに語られている生活感や心理に共感できなければ思い描く事はできません。
「おしいれのぼうけん」は、物語を目に見えるように語っています。色彩を使わずとも、物語の動き、とりわけ人物をいきいきと表現し、画面がそれからそれからと物語の舞台に連続性と変化を与え、幼児の日常生活のリズム感覚にしっかりとつなげています。押入れの中の奇妙な空間と外の明るい生活空間とが自然に違和感なくつながって、世界が膨らんでいくのです。
ぜひ、お父さん、お母さんの今までの読み聞かせの経験を生かし、愛情をたっぷり込めて読んであげてほしい1冊です。




【絵本】おやすみ
おやすみ
出版社 :グランまま社
著者   :なかがわりえこ
画家   :やまわきゆりこ
定価   :¥820-
対象年齢: 1歳〜

今月は、「ぐりとぐら」で有名な名コンビ、中川李枝子さんと、山脇百合子さんが描く「おやすみ」と「おはよう」をご紹介させて頂きます。

【おやすみ】
表紙を開くと、おやすみのタイトルの下に太陽が沈んでいくところが描かれています。まさに「おやすみ」と、寝るまでのストーリーが始める1ページにふさわしい挿絵です。そして楽しかった一日を振り返るかのようにお話が始まります。

【絵本】おやすみ犬の兄妹がどろどろになるまで外で遊び、お風呂に入ってご飯を食べます。
右ページにはメインの犬の兄妹の挿絵が表情豊かに描かれ、左ページの文章の片隅には夜が少しずつ深まっていく時間を表すたんぽぽのつぼみた星、ふくろう、月が、順々に登場します。
ページをめくるごとに星の数が増えていき、犬の兄弟が歯を磨いたら、お母さんが絵本を読んでくれて、子守唄を唄ってくれて、「ねむい ねむい ああねむたい」。そして月が出るころには犬の兄妹は布団に入って「おやすみ おやすみ むにゃむにゃむにゃ」と締めくくられます。楽しくて幸せな一日の出来事が幼いあかちゃんでも理解できるように描かれています。

【絵本】おやすみ1才になったばかりの子どもにこの絵本を見せたところ、お気に入りの絵本となり、夜だけでなく、お昼寝の前などにも何度も読んであげました。
すると、すぐに左ページの小さな星1つに興味を持ち始め、ページをめくるごとに星の数が増えていき、その星がふくろうに変わり、月に変わっていくのを指さして、声をあげ興味深げに見ていました。私たち大人が何気なく見過ごす描写も子どもはしっかり反応するのです。
楽しくて幸せな一日は終わりですが、明日にはもっと楽しくて幸せな一日が待ってますよと子どもに言ってあげたくなる絵本です。

【絵本】おはよう
おはよう
出版社 :グランまま社
著者   :なかがわりえこ
画家   :やまわきゆりこ
定価   :¥820-
対象年齢: 1歳〜

【おはよう】
表紙を開くと、おはようのタイトルの下にたんぽぽが咲いてその上にハチがとまっています。「おやすみ」ではつぼみで登場したたんぽぽが開いて登場します。「おやすみ」同様に「おはよう」でも朝の始まりがちゃんと見開きページから始まっています。
そして擬人化された雲の布団をかけたお日さまが目を覚まします。大きなあくびをし、まだ眠たそうな顔で歯を磨き、顔を洗います。「おひさまぱっちりめがあいた」、「おはよう おはよう みんな おはよう」、新しい一日の始まりです。
ぜひ、「おはよう」と「おやすみ」をセットで読んであげて下さい。
夜寝る前に「おはよう」を読み聞かせた後に「おやすみ」を読み聞かせ、一日の始まりから終わりまでを親子で振り返るのも楽しいものです。朝起きてから、夜寝るまでの生活習慣以外にも、森羅万象も自然に感じられる絵本です。
【絵本】おはよう【絵本】おはよう




てぶくろ
てぶくろ
出版社 :福音館書店
著者   :ウクライナ民話
画家   :エウゲーニー・M
      ・ラチョフ
定価   :¥1,050-
対象年齢: 3歳〜

てぶくろ


てぶくろ

 今月は、冬を迎えるのにふさわしい絵本、てぶくろの中にどんどんいろいろな動物が入っていく不思議なお話「てぶくろ」をご紹介させて頂きます。
雪の中におじいさんが片方落していった手袋、ねずみがかけてきて、てぶくろにもぐり込んできて言いました。「ここで暮らすことにするわ」。そこへ、かえるがぴょんぴょんはねてきて、「だれ、てぶくろに住んでいるのは?」「わたしも入れて」、「どうぞ」。次にうさぎにきつね、おおかみ、いのししがやってきて、最後にはくまもやってきて、てぶくろに入ろうとします。
 最初、ねずみはとても小さく、てぶくろはねずみの何倍もの大きさで登場しますが、次のページでは、てぶくろにははしごが加えられ、その次のページには入口が広げられ土台まででき、わらの屋根もつき、最後には窓のついた暖かそうな家と化していくてぶくろを見て、子どもたちはその変化をページをめくるごとに楽しむことができるでしょう。2匹が入ってもまだまだ余裕のあったてぶくろが、3匹になり、最後には6匹になり、てぶくろの増改築は見事に進んでいきますが、ぎゅうぎゅう詰めになってしまいます。そこに、くまが入ろうというのですから、いくら子どもでも「無理かな?」と思ってしまうと思いがちですが、こんなふうに少しずつお話が進んでいくと、「くまだって、てぶくろの中に入れるかもしれない・・・」と思えてくるから不思議です。また、登場人物のネーミングも楽しく、「くいしんぼうねずみ」、「ぴょんぴょんがえる」、「はやあしうさぎ」、「おしゃれぎつね」・・・といったふうで、それぞれの着ている民族衣装のような洋服も見ものです。ストーリー、文章、絵とそれぞれを何通りにも楽しむ事ができます。丁寧に細部まで描かれた絵を眺めているうちに、絵本の世界に入り込み、登場人物と一緒にお話の中に行って、そして帰ってくることを体験できる絵を読む楽しさがいっぱいの絵本です。



おさんぽおさんぽ
おさんぽおさんぽ
出版社 :福音館書店
著者   :ひろの たかこ
定価   :¥756-
対象年齢: 0歳〜
おさんぽおさんぽ

おさんぽおさんぽ










はっぱのおうち
はっぱのおうち
出版社 :福音館書店
著者   :征矢 清
画家   :林 明子
定価   :¥864-
対象年齢: 2歳〜
はっぱのおうち

はっぱのおうち

 梅雨を目前にした季節になりましたが、子どもたちにとっては、雨の日の遊びも楽しいものです。長靴だから水たまりに入っても大丈夫。ちょっと水を蹴ってみよう。水たまりで跳ねてみよう・・・雨の音に耳を傾けたり、雨に濡れている葉に触ったり、宝石のようにきれいな滴を見つけてそっと触れたり、木を揺らして傘にこぼれてくる滴の音を楽しんだりと、子どもたちはたくさんの楽しみを見つけることでしょう。この時期の虫や生き物に出会うのも楽しみの一つで、かたつむりやかえるを見つけては話しかけ、親しみを込めてわらべうたを唄ったりするのも楽しいですよね。
そんな時期に読んであげたい絵本として、今月は「おさんぽおさんぽ」、「はっぱのおうち」の2冊をご紹介させて頂きます。

「おさんぽ おさんぽ」
 「おさんぽ おさんぽ」、雨上がりに男の子が青い長靴をはいて出かけて行きます。「だんごむしさんも おさんぽ」、「ありさんも おさんぽ」、「かたつむりさんも おさんぽ」、「かえるさんも」・・・そして、水たまりを見つけると、男の子は水たまりに入ってバシャバシャし始めます。
 雨が上がればいつもの道も絶好の遊び場に早変わりします。湿った土や水たまりに、裸足で入って歩いてみたり、どろんこ遊びをしたり、子どもの興味をそそる遊具に変わります。長靴をはき、傘をさして出かける雨の散歩、そして雨が上がった後の散歩は、いつもの散歩のときより楽しさが増してくるような気にさせてくれる、雨の日をいきいきと描いた絵本です。

「はっぱのおうち」
 庭でクローバーの花飾りを作っていたさちの頬に、突然、雨がぽとんと落ちてきました。「でも、へいき。さちには かくれる おうちが あるんだから」。さちは、重なり合った葉っぱの下に潜り込みました。でも、そこにはもう、大きなかまきりが雨宿り。「いや、いや。こっち こないで あっちむいてて」とさちが言うと、そこにもんしろ蝶が入ってきました。よく見ると葉っぱのおうちには、こがね虫や、てんとう虫も雨宿りをしています。「みーんな おなじうちの ひとみたい」と思い、嬉しくなったさちが、「ひとやすみしたら!」とありに声をかけたとき、空が明るくなりました。さちは、「ほら、もう あめ やんだよ。ほんとの おうちへ かえろう。みんなも かえろう。おかあさんが まってるもん」と言って立ち上がりました・・・
 一人遊びをする幼児をいきいきととらえ、葉っぱの下の虫たちの世界に溶け込んでしまった魔法のような時間と空間を、淡彩の絵で細やかに雨の日を描いています。



たんぽぽ
たんぽぽ
出版社 :福音館書店
著者   :平山 和子
定価   :¥972-
対象年齢: 4歳〜

たんぽぽ

たんぽぽ

 「春の絵本」の中から、「たんぽぽ」をご紹介させて頂きたいと思います。
たんぽぽは身近な植物として知られていますが、以外に知られていないたんぽぽの生態や隠されたさまざまな不思議がたくさんあります。たんぽぽの根っこがとても長いことや、綿毛の数の多さ、そして黄色いだけではなく、白いたんぽぽもあるといった事実を皆さんご存じですか?たんぽぽの花をよく見てみると、一本の花は小さな花の集まりで、この花を数えてみると小さな花が240もついています。60のものや、150のものもあることを知って驚きます。そういった驚きは、子どもにとっても大人にとっても喜びです。生活の中にどれだけその驚きを見つけられるかで、日々の生活に楽しみが増え、今まで見過ごしてきた物にも注意がいくようになることでしょう。「たんぽぽ」を読むと、子どもの興味を上手につないでいくように工夫されていることがわかります。たんぽぽがどういう植物なのか、その特徴的な姿を十分につかんで、絵本を閉じると背表紙には、綿毛を飛ばす女の子が描かれています。まさに、たんぽぽに寄せる子どもの興味は、この遊びから始まると言ってもいいでしょう。こういった遊びの体験や絵本の体験により、子どもたちはたんぽぽへの親しみをもっと深めるでしょう。
このような科学絵本は、知識や情報として子どもたちの頭に放り込まれるだけではなく、心に働きかけ、心を動かす力をもっています。頭に入るのではなく、心に絵本体験として残るのです。「おもしろかった!」、「楽しかった!」という印象をもったとき、子どもの好奇心はいきいきと働き、その絵本体験は心に深く残ります。身近にあるものに目を向け、興味をもち、子どもたちの遊びや好奇心につながるような絵本にたくさん出会いたいものですよね。


その他の科学絵本を見る



おててがでたよ
作者:林 明子
発行:福音館書店
定価:¥756-
対象年齢:0歳〜

おててがでたよ 場面1

おててがでたよ 場面2



でてこいでてこい表紙 でてこいでてこい
作者:林 明子
発行:福音館書店
定価:¥756-
対象年齢:0歳〜

でてこいでてこい見開き1

でてこいでてこい見開き2


現代の超人気作家「林明子」さんの作品です。
「はじめてのおつかい」(1976年)「あさえとちいさいいもうと」(1979年)等たくさんの人気作品がありますが今回は赤ちゃんの本3冊を紹介します。
子ども好きの林明子さんの愛情がそのままえがかれていて、「おててがでたよ」でも絵の中から子どもの声が聞こえてくるようです。また、「おつきさまこんばんは」(1986年)の最後の場面に、お母さんと手をつないだ子どものシルエットだけの絵がありますが、これも子どもの笑顔が見えてくるような絵ですね。
「でてこいでてこい」では、はじめて切り絵で表現されています。1995年の作品で比較的新しい作品ですが、これもすばらしい絵本なので、ここでご紹介します。
お話の内容により、色調を変え、技法を変え、子どもの心に届くすばらしい作品を次々と発表されています。
おつきさまこんばんは表紙 おつきさまこんばんは
作者:林 明子
発行:福音館書店
定価:¥756-
対象年齢:1歳〜

おつきさまこんばんは見開き1

おつきさまこんばんは見開き2



どんなにきみがすきだかあててごらん
どんなにきみがすきだか
あててごらん

出版社 :評論社
著者   :サム・マクブラットニィ
画家   :アニタ・ジェラーム
定価   :¥1404-
対象年齢: 4歳〜

どんなにきみがすきだかあててごらん

どんなにきみがすきだかあててごらん

どんなにきみがすきだかあててごらん

 今月のおすすめ絵本は、季節の絵本特集「春の絵本」でもご紹介させて頂いております「どんなにきみがすきだかあててごらん」をご紹介させて頂きます。
まず、表紙を見てみると、大きなうさぎと小さなうさぎの仲の良さそうな様子が微笑ましく描かれています。そして、表紙をめくって2ページ目の見開きを見ると、チビウサギを背中に乗せたデカウサギが勢いよく飛び跳ねている姿が描かれていて、それを眼で追うと、1、2、3のリズムでジャンプと共に次のページへと誘い込んでくれる仕組みになっています。絵で物語を語る効果が見事に表現され、冒頭から読み手をわくわくさせてくれます。
 物語は、チビウサギとデカウサギがお互いに相手をどんなに好きかを言い競う「くらべっこ」が始まる単純なストーリーですが、無邪気なチビウサギとデカウサギの好きくらべのごっこ遊びに付き合っていると、いつか読み手も聞き手もこの遊びに誘いこまれ、読み手はデカウサギに、聴き手はチビウサギに感情移入してくるから不思議です。「ぼくは、きみのこと、ぼくのせいのび せいいっぱい すきだよ」と腕を伸ばし、背伸びして言う、デカウサギに対して、チビウサギは、逆立ちをして、木の幹に足をぐっと伸ばして、「きみのこと、つまさきのさきっちょまで、すきだよ!」と言い返す主人公たちのやりとりに、それから、それからと物語をわくわくした気持ちで読みすすめていくことができます。そして、読み手と聴き手の間にも、二人の物語空間が生まれ、こうした物語体験の共有は親子の貴重な体験となることでしょう。この絵本の挿絵は、しなやかな線と形が、実によく主人公たちのわくわくした気持ちを表現し、物語を快くすすめ、絵本でなければ表現できない効果を見事に伝えてくれます。



十二支のはじまり
・十二支のはじまり
著者: 岩崎京子
画家: 二俣英五郎
出版社: 教育画劇
対象年齢: 4歳〜
価格:1,296−
十二支のはじまり見開き1

十二支のはじまり見開き2

 今月は岩崎京子/作・二俣英吾朗/画の「十二支のはじまり」という絵本をご紹介します。
子(ねずみ)から亥(いのしし)までの12の動物達が並ぶ干支の順番の由来を、楽しい文章と絵で表現してある絵本です。 
正月の朝、御殿に来るよう神様に命じられた動物たち。「来たものから十二番まで、一年ずつその年の大将にする」と、言われたものだから自分こそ一番乗りだと動物達は大騒ぎ。牛は「わしはのろいからね。いまからいけばちょうどええ」と前の晩から出かけました。その背中にこそっと飛び乗ったずる賢いねずみ。足が速いのが自慢のトラやうさぎは「いざとなったらだれにもまけるもんか」と、ゆうゆうと出かけたけれどこれが油断というもの。前の晩に出発した牛やねずみにかなわず一番にはなれませんでした。
ねずみに嘘をつかれ、一日遅れて御殿についた「ねこ」は十二番の中に入れず、それからねこはねずみを見ると追いかけるようになったそうです。
それぞれの動物達の特徴をつかんだ愉快なストーリーの展開に子ども達は引き込まれるでしょう。昔話の語り口調に乗せられ自然に干支を覚えてしまったり、動物たちへの親近感が増す絵本です。




サンタクロースってほんとにいるの?表紙 ・サンタクロース
って ほんとに
いるの?

作:てるおかいつこ
絵:すぎうらはんも
発行:福音館書店
定価:¥972-
対象年齢:3歳〜

サンタクロースってほんとにいるの?見開き1

サンタクロースってほんとにいるの?見開き2



サンタクロースっているのでしょうか?表紙 ・サンタクロースって
 いるんでしょうか?

訳者:中村妙子
画家:東 逸子
発行:偕成社
定価:¥864-
対象年齢:4歳〜

サンタクロースっているのでしょうか?見開き1

サンタクロースっているのでしょうか?見開き2

 もうすぐXmasですね。と、いう訳で今月はサンタクロースの本を2冊紹介します。
「サンタクロースってほんとにいるの?」
一緒に入ったお風呂の中で、二人の子供がお父さんに聞きます。「サンタクロースってほんとにいるの?」 この質問にお父さんは「いるよ」と答えます。この絵本は月刊絵本「かがくのとも」で生まれました。自然界の事、身の回りのこと、全て事実を子供に伝えるかがくの本の中で「いるよ」と答えているのです。
「えんとつがなくてもくるの?」「どうしてぼくのほしいものがわかるの?」「どうしてお父さんやお母さんにはこないの?」「サンタなんていないってみんないってるよ」子ども達は次々と質問します。お父さんは素敵な答えを子どもに聞かせ、最後に「いるよ。サンタはね こどもをよろこばせるのがなによりのたのしみなのさ」「だってこどもがしあわせなときは みんながしあわせなときだもの」と、すばらしい言葉で結びます。

「サンタクロースっているんでしょうか」
ニューヨークで本当にあったお話です。
8才の女の子がニューヨークのサン新聞に手紙を書きました。「ともだちはサンタクロースなんていないんだといいます。教えてください。サンタクロースってほんとにいるんでしょうか」 この問いにサン新聞はなんと社説で答えました。「バージニア、おこたえします。」で始まる名文の社説は世界中に広がりました。

松岡享子さんが「サンタクロースの部屋」という本の中で次のように述べています。
「サンタクロースを信じている子どもの心の中にはサンタクロースの部屋があります。いつか大きくなってサンタクロースは出て行ってしまいますが、心の中には部屋が残ります。そして、その部屋に新しい住人を迎えることができます。」「愛情とか信頼とか目に見えない大切なものをその部屋に住まわせる事ができるのは子どもの時に信じるという力が心の中に空間を創ったからです。」 すばらしい言葉だと思います。




もりのなか
もりのなか
出版社 :福音館書店
著者   :マリー・ホール・エッツ
定価   :¥1080-
対象年齢: 3歳〜

もりのなか
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もりのなか
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またもりへ
またもりへ
出版社 :福音館書店
著者   :マリー・ホール・エッツ
定価   :¥1080-
対象年齢: 3歳〜

またもりへ
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またもりへ
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「もりのなか」
 今月は、子どもの遊びの本質を見事な文と挿絵で表現している有名な絵本作家マリー・ホール・エッツの傑作「もりのなか」をご紹介させて頂きます。
主人公の男の子「ぼく」は、紙の帽子をかぶり、新しいらっぱを持って森へ散歩に出かけます。
大抵、子どもが何かを身につけ手にするとうことは意味のあることで、つまり変身を意味します。この文頭からもわかるように、すでにここから子どもの想像の遊びの世界が広がっているのです。
いよいよ男の子が森の中へ入って行くと、ライオンが昼寝をしていました。「らいおんは、ぼくの らっぱを きいて、めを さましました」、「どこへ いくんだい?」とライオンが男の子に聞きました。ライオンが口をきいたら、これはもう日常とは次元の異なる別世界に入ってしまったということになります。そして、ライオンの側にはくしと王冠が意味ありげに置いてあります。そして、ライオンはそのくしでたて髪をとかし、王冠をかぶって男の子についていきます。
このように絵本の挿絵の細部には、物語の次への展開につながる伏線がさりげなく描かれていたりするので、挿絵を見る眼は注意深くありたいものです。そういう点では、子どもの眼の方が、鋭く観察し読みとっているのです。
次に2匹のゾウの子が水浴びをしています。「ぞうのこたちは ぼくを みると、みずあびを やめました」、「まっててくださぁい」ぞうの子たちは、耳をふきながら言い、男の子の散歩についていきました。次の2匹のクマは、ジャムとピーナッツの袋を持ってついていきます。その次のカンガルーの親子は、太鼓を持って加わります。みんな何か小道具を持ったり身につけたりしているのも遊びを連想させます。そして、コウノトリも2匹のサルも加わり「ぎょうれつだ!ぎょうれつだ!ぼくらは、ぎょうれつ だいすきだ!」とぼくの散歩についていきます。子どもは行列が大好きです。この物語は、森の中でごっこ遊びをしている子どもたちを語っているようです。
この絵本を読んで、森へらっぱを持って散歩に行く男の子の気持ちや、次々に現れる動物たちの動きや会話から、その気持ちや意味がどれほど読みとれるかは、子どもの内面を感じとる大人に自分自身が成長しているか否かを知る手がかりにもなります。
この絵本は、子どもにとってだけでなく、遊びが大人にとっても、どれほど重要な文化的価値があるかを示しているかのようです。子どもの好きなこの絵本を、大人も読み手として子どもと一緒に物語の世界に入っていきますと、いつしか自分の中に眠っている「子ども」が目覚めて、子どもが楽しむ気持ちに共感できるでしょう。
特に最後のかくれんぼの場面で、鬼になって眼を開けた男の子が、誰もいない森の中にお父さんの姿を見つけてする会話で、「きっと、またこんどまで まっててくれるよ」の一言は、森の中の楽しい空想の世界を壊さず、男の子の心の中に楽しい出来事として残すお父さんの気持ちが伺われます。
お父さんが現れるということは、非日常の世界に日常の世界が入り込んできたわけですが、このお父さんは、子どもの持っていた内面の世界をちゃんと見抜いて生かしているのです。そして、男の子は安心して、お父さんの肩車にのって家に帰って行きます。
作者のエッツは、遊びをとおして子どもの本当の姿やその気持ちを見定めようとしていたのでしょう。
 「もりのなか」をすでに読んだことのある子どもには、続編「またもりへ」をおすすめします。


その他の「マリー・ホール・エッツの絵本」はこちら




かいじゅうたちのいるところ
かいいじゅうたちのいるところ
出版社 :冨山房
著者   :モーリス・センダック
定価   :¥1,512-
対象年齢: 4歳〜

かいじゅうたちのいるところ

かいじゅうたちのいるところ

 アメリカの人気絵本作家「モーリス・センダック」が描いた絵本「かいじゅうたちのいるところ」をご紹介させて頂きます。
 おかあさんに叱られて寝室にほうりこまれたマックス。ところが、寝室の様子が次第に変わっていき、にょっきりと木が生えだして、波が打ち寄せはじめます。そして、マックスは船でかいじゅうたちのいる島へと向かいます。かいじゅうたちのいるところにたどり着いたマックスは、かいじゅうならしの魔法を使い、目をかっと開いて、かいじゅうたちの黄色い目をじーっと睨みます。恐れ入ったかいじゅうたちは、マックスをかいじゅうたちの王様にします。そして、マックスが指揮をし、みんなでかいじゅう踊りをし始めます・・・
文章が少なく、個性的な絵に魅了され、あっという間に絵の世界に引き込まれます。見慣れた寝室がどんどん森や野原や海に変わっていく、その変化に、「ベッドがある、まだドアがある、ほら窓も・・・」と変化を楽しむ子どももいることでしょう。また、自分の部屋は大丈夫かと辺りを見回す子どももいるでしょう。自分の中に物語をもらい受けることで、その子どもの目には日常の中に違う風景が見えてくるのです。そのファンタジーの世界が大きければ大きいほど、楽しいですし、それが物語としての満足感にもつながります。おもしろい話には魅力的な人物が登場し、物語に奥行きがあります。そして、結末まで子どもの期待を裏切ることはありません。読者の子どもたちは、暴れん坊マックスとグロテスクでどこかかわいいかいじゅうたちの世界に引き込まれ、その物語の世界のふくらみをきちんと感じながら、「ああよかった」、「おもしろかった」と、また日常へ帰っていくことでしょう。
 世界中で愛され、オバマ大統領が復活祭で子どもたちに読み聞かせして話題になったと言われています。来年1月には、映画化も予定されている作品です。




こんちゅう
こんちゅう
著者: 矢島 稔(指導)
出版社: 福音館書店
対象年齢: 3歳〜
価格: ¥945-

こんちゅう

こんちゅう



およぐ
・およぐ
著者: なかの ひろたか
出版社: 福音館書店
対象年齢: 5歳〜
価格: ¥880-

およぐ

およぐ
日々の暮らしの中で、子どもはたくさんの驚きや不思議を見付けます。大人が、その発見を子どもと一緒になって感動したり、不思議がったりしながら「これなあに?」「どうして?」といった問いかけに答えてあげることで知的好奇心は満たされ、子どもは大きな喜びを感じます。
そんな、子どもの抱いた「なぜ?」「なに?」の答えを見つけ、好奇心の及ぶ範囲をぐっと広げてくれるのに役立つ科学絵本を、今月はご紹介させて頂きたいと思います。

 <はじめてであうずかん こんちゅう>
「にわのむし」、「あかりにあつまるむし」、「ののはなのむし」、「はやしのむし」、「みずのなかにすむむし」など、虫たちを環境別に紹介し、また、「はち・かのなかま」、「ちょう・がのなかま」、「かぶとむしのなかま」と種類別に選別していきます。子どもたちに親しまれている虫184種を、美しい的確な絵で描き、最終ページにはそれぞれの虫の特長が解説されていて、子どもがはじめて出会う図鑑絵本として最もふさわしい絵本です。

<およぐ>
そろそろ、子どもたちは学校でプールの授業があったり、夏休みには海や川などで遊んだりする季節ですよね。
実体験の中で泳ぐことの多いこの時季、上手に泳げるようになりたいと思っている子どもや、水に入るのがちょっぴり恐くて、泳ぐことを苦手と思っている子どももいることでしょう。そんな子どもたちに、ピッタリの絵本です。人間の身体はどうして水に浮くのかを説明し、絵本の中で男の子が洗面器に顔を入れて、水の中で息を吐く練習をし、少しづつプールに入って目が開けられ、身体を丸めて浮くことができ、最後には泳げるようになるまでを楽しく描きます。子どもたちにとって、とても身近で、そして誰もが経験する題材のこの絵本は、この時季、子どもたちの興味を大いに引くことでしょう。

子どもの視点に立ってじっくりと語られる科学絵本は、図鑑とは違い、すぐに疑問を解決してくれるわけではありませんが、試行錯誤しながら答えを探しだす楽しみを教えてくれます。また、科学絵本は、子どもの関心にうまく寄り添いながら、目の前にある事柄にいろいろな角度から光を当て、知的好奇心の幅を広げ刺激してくれることでしょう。
その他の科学絵本もご紹介しています。「科学絵本の特集」をご覧下さい。




かささしてあげるね
・かささしてあげるね
著者: はせがわ せつこ
画家: にしまき かやこ
出版社: 福音館書店
対象年齢: 1歳〜
価格: ¥600-
かささしてあげるね

かささしてあげるね
<かささしてあげるね>
梅雨を目前にしたこの季節に、雨の日も楽しくなる絵本「かささしてあげるね」をご紹介したいと思います。
雨音が「ピッチャン パッチャン」、「ピロリン ポロリン」、「ピピ ポポ」、「シッポ シャッポ」・・・特徴的な擬音語で雨の音を表現し、ゾウやキリン、アリ、クマなどの動物たちがそれぞれの違う音を奏でます。ストーリーは、軽快な詩のリズムにのせられて、楽しく展開していきます。
そして、傘を持った優しい笑顔の男の子の「かささしてあげるね」という言葉がなんとも優しく心に響きます。
西巻茅子さんのやさしいタッチの挿し絵によって、小さな傘、大きな傘、柄の長い傘など、いろいろな形の傘や、場面ごとに応じ変化する雨の音や形が効果的に描かれています。
幼児の興味を引くものがたくさん出てくるのも魅力の一つです。
男の子と動物の交流がほのぼのとして心温まる絵本。幼児はきっと、雨の日に傘を持って出かけたくなることでしょう。



むしばミュータンスのぼうけん
・むしばミュータンスのぼうけん
著者: かこ さとし
出版社: 童心社
対象年齢: 5歳〜
価格: ¥1,260ー

むしばミュータンスのぼうけん

むしばミュータンスのぼうけん
<むしばミュータンスのぼうけん>
6月4日は「むし歯の日」です。みなさん御存じでしたか?
子どもは甘いお菓子が大好き!だからこそ、歯磨きは大切です。赤ちゃんでも生後6ヶ月から歯磨きが必要と言われています。
お母さんやお父さんも、むし歯の怖さを認識しておく必要がありますよね。そこで今月はむし歯の原因となる強くて怖いミュータンス菌が登場する「むしばミュータンスのぼうけん」をご紹介します。
この絵本は、むし歯菌ミュータンスがむし歯をすすめる形で、どうしたらむし歯になるのか、むし歯になったらどうなるのかをリアルに教えてくれる科学絵本です。ちょっと怖いミュータンスの姿に子どもは興味を引き、かこさとしさんのリズミカルな文章にのって楽しくむし歯について学べます。
この絵本を通して、親子でむし歯の怖さを再確認し、進んで楽しく歯磨きができるようになったらいいですよね。

その他に、歯医者さん嫌いの子どもに、「歯医者さんにいってもいいかなぁ」と思わせる「わにさんどきっはいしゃさんどきっ」などのユニークな絵本もご紹介しておりますので、季節の絵本特集「5月〜6月」をご覧ください。



旅の絵本
旅の絵本
著者: 安野 光雅
出版社: 福音館書店
対象年齢: 5歳〜
価格: ¥1365-

旅の絵本
旅の絵本 中世ヨーロッパ

旅の絵本
旅の絵本U イタリア

旅の絵本
旅の絵本V イギリス

旅の絵本
旅の絵本W アメリカ


その他の「安野光雅」の作品を見る
今月は、世界の各国の、様々な素晴らしい風景、街並、たくさんの人々の生活、見たこともない場所や人たちが、それぞれ、いろんなことをして生きています。そうした千ほどの物語をつめこんだ安野光雅の「旅の絵本」をご紹介させて頂きます。
「旅の絵本 中部ヨーロッパ」は、ヨーロッパの中世を想わせる村や街の様子、人々の暮らしを一人の旅人を通して見る詩情に満ちた文字のない絵本です。馬に乗った旅人が進む道には、丘を超え、川を渡り、村から街へ続いています。木を切る人、ぶどうを摘む人、乳をしぼる人、引っ越しをする人、決闘をする人、結婚式をあげる人・・・
旅人を追ってページをめくると、どのページ、どの画面にも人々の生活ぶりにまぎれて昔話の一場面、名画の構図、位相の錯覚など著者独特のユーモラスないたずらが隠されています。細かい線で描かれ薄緑をおびた淡彩に、斜めから見下ろす視線が広がりをもっています。
 「旅の絵本Uイタリア」や「旅の絵本Vイギリス」「旅の絵本W アメリカ」では、古い歴史のある街や景色と名高い寺院や建物のなどの他に、イエスの生涯をはじめとし、「ピノッキオ」や「スーパーマン」、「ビートルズ」など、その国が生んだ映画のスターや有名なヒーロー、ヒロインがたくさん登場します。また、ようく目を凝らして見ると木の中に、たくさんの動物たちが隠し絵として待っています
 そんないたずら心満載の風情あふれる旅に親子で出かけみませんか?初めて見る別世界や風景を見て、子どもは自分なりに気になるものを捜し出し、たくさんの発見をし想像して、自分でお話しを作る旅へ出かけることでしょう。そして、大人は見たことのある懐かしい場所や色とりどりの風景を見て、昔話やおとぎ話を捜す歴史の旅に出かけてみてはいかがですか?




げんきなマドレーヌ
げんきなマドレーヌ
出版社 :福音館書店
著者   :ルドウィッヒ・
ベーメルマンス
翻訳者  :瀬田 貞二
定価   :¥1,404-
対象年齢: 4歳〜
げんきなマドレーヌ

げんきなマドレーヌ

 今月のおすすめ絵本は、季節の絵本特集「春の絵本」でもご紹介させて頂いております「げんきなマドレーヌ」をご紹介させて頂きます。
パリの寄宿学校に暮らす12人の女の子。マドレーヌは一番おちびさんで一番元気です。12人の女の子たちは、食べるのも寝るのもいつも一緒。「2れつになってパンをたべ」、「2れつになって歯をみがき」、「2れつになって休みました」、そして、「2れつになって9時半に降っても照っても散歩に出ました」とストーリーは展開していきます。まず、リズミカルな文章にとてもマッチした挿絵に引き込まれます。そして、12人の中で一番勇敢だったマドレーヌは、ねずみなんか恐くないし、冬が好きでスキーもスケートも得意、動物園のトラもへっちゃらです。
ところがある晩、マドレーヌがわーわー泣いているではありませんか!ミス・クラベル先生が慌ててお医者さまを呼び、盲腸炎で入院することになったマドレーヌ。盲腸の手術をしたマドレーヌをお見舞いに行った女の子たちは、部屋にはおもちゃやキャンディーはたくさんあるし、マドレーヌのお腹の立派な傷後を見て、たちまちうらやましくなってしまいます。そんな女の子たちの感情に共感を覚え、何事も楽しいことに変えてしまう明るく奔放なマドレーヌの姿に、幼児は惹きつけられることでしょう。
そして、まだ幼い子どもは、みんなで一緒に行動を共にするとういうこと、友達のいる幼稚園や学校への憧れを感じることだと思います。
エフェル塔をはじめ、セーヌ川やノートルダム寺院などのパリの背景に、元気な子どもたちと優しい先生が繰り広げるパリの香りいっぱいの人気絵本です。読者の子どもたちは、外国の優れた絵本をとおして、いろいろな国の土地柄や人々の暮らしを知り、目を見張って驚いたり、不思議に思ったり、また共感したり、感動したりします。こうした絵本体験が、成長したときの異民族や異文化との出会いの際の理解や心の交流の鍵となるのです。
最終ページには、絵本の中に描かれているパリの有名な建物や場所の名称が解説されています。
マドレーヌの絵本は60年以上世界中の子どもたちに読み続けられているロングセラーです。




わたしとあそんで
わたしとあそんで
出版社 :福音館書店
著者   :マリー・ホール・エッツ
翻訳者 :与田 準一
定価   :¥1,188-
対象年齢: 3歳〜
わたしとあそんで

わたしとあそんで

 もう1冊「春の絵本」の中から、絵本の体験をとおして子どもの遊びを実感できる有名な絵本作家マリー・ホール・エッツの作品「わたしとあそんで」をご紹介させて頂きます。
 女の子が原っぱに遊びに行きました。「あそびましょ」と、いろいろな動物たちに声をかけるのですが、みんな逃げていってしまいます。「だあれも だあれも あそんでくれないので、わたしは いけのそばに こしかけて みずすましが みずに すじを ひくのを みていました」。音たてずに座っている女の子のところに虫や動物たちが戻ってきます。それでも、動かずに黙っていると、シカの赤ちゃんが寄ってきて、女の子のほっぺたをなめました。「ああ わたしは いま、とっても うれしいの」と締めくくられ、女の子のとっても嬉しそうな笑顔が読み手の笑顔までも誘うほどです。自然ととけ合うこの物語に、自然こそ、子どもの感性を豊かに目覚めさせ、育む場であると感じることができます。マリー・ホール・エッツの絵本は、大人の観点からではなく、子どもの視点と感性で描かれているものが多く、不思議と子どもを惹きつける親近感と魅力があります。
 
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のはらのひなまつり
のはらのひなまつり
出版社 :金の星社
著者   :神沢 利子
画家   :岩村 和朗
定価   :¥1890-
対象年齢: 4歳〜


のはらのひなまつり

のはらのひなまつり


 今月は、ひなまつりの楽しさをいきいきと描いたお話「のはらの ひなまつり」をご紹介させて頂きます。
今日は、ひなまつりです。ともこは画用紙におひなさまの絵を描きました。あとでびっくりさせたくて、仲良しのねこのみーやが来ても、友達のゆうくんが来ても、何を作っているのか出来上がるまで秘密にしたがるともこ。
ところが、せっかく切り抜いたおひなさまや、着物にしようとした色紙が風に吹き飛ばされてしまいます。慌てて外へ飛び出すともこを見て、木の上のみーやとゆうくんが笑っています。ともこは、思わず「おひなさまが飛んでこなかった?」と聞いてしまうのです。
 いかにも幼児らしい思いを鮮やかにとらえて、部屋の中から屋外へとお話の世界を広げていきます。
ねずみたちやうさぎたちの歌うひなまつりの歌を聞いて、みーやもゆうくんも、ともこもかけ出していき、きつねやたぬきまで次々と野原に集まって来ます。そして、たんぽぽの花のおひなさまの横に並んでいる紙人形のおひなさまを見てびっくりするともこ。「あたしのおひなさまよ。まあ、ちゃんときもの、きてる」・・・
 幼児の、こんなひなまつりができたらいいなあという願いを、絵本の中で見事に実現し、ひなまつりの楽しさを一気に盛り上げてくれることでしょう。また、画用紙を切り抜いただけの素朴なひな人形。しかも、それを自分で作るというのですから、幼児の興味を引くこと間違いなしの絵本です。




三びきのやぎのがらがらどん
・三びきのやぎのがらがらどん
著者: ノルウェーの昔話
画家: マーシャ・ブラウン
訳者: 瀬田 貞二
出版社: 福音館書店
対象年齢: 4歳〜
価格: ¥1,050ー

三びきのやぎのがらがらどん



三びきのやぎのがらがらどん

<昔話絵本 第4回>
子ども達が大好きな「三びきのやぎのがらがらどん」です。
このお話は、三匹のやぎたちが山の草場で太ろうと山へ登って行くところからお話が始まります。
登っていくと深い谷があり、橋がかかっています。橋の下には恐いトロルが住んでいて、お前を食ってやると言います。一番小さいやぎは「どうか食べないでください。少し待てば二番目のやぎが来ます。ぼくよりずっと大きいですよ。」と言い、二番目のやぎは「おっと食べないでおくれよ。少し待てば大きいやぎのがらがらどんがやってくる。ぼくよりずっと大きいよ」と言い、行ってしまいます。そして大きいやぎのがらがらどんがトロルをやっつけてしまうお話です。
このお話を聞くと、「自分を助けて後からやってくるやぎを食べて下さい」と言っているように聞こえ、自己中心的なお話に思えてしまいます。ところが子どもは誰一人そうは思っていません。
このお話は一匹のやぎの成長を表しているのです。
「太るために山に登る」というのは大きくなりたいという願望です。そして成長するためには必ず越えなければならない谷があります。この大きな困難(反抗期)は三度あり、みんなそれを乗り越えて自立していくと語っています。
今は一番小さいやぎかもしれませんが、「大きくなるとトロルだってやっつけられるんだ」と子どもに語りかけているのです。
読んでもらっている子ども達は、それを知っているからこそみんな大好きなのです。なぜ知っているのでしょうか?答えは一番最初に書いてあります。
「むかし三びきのやぎがいました。なまえはどれもがらがらどんといいました」
文章・挿絵・内容どれをとっても最高レベルの昔話絵本だと思います。

その他の「昔話絵本」 昔話絵本セット


三びきのこぶた
三びきのこぶた
著者: イギリス昔話
画家: 山田 三郎
訳者: 瀬田 貞二
出版社: 福音館書店
対象年齢: 3歳〜
価格: ¥840‐
三びきのこぶた


三びきのこぶた


三びきのこぶた

<昔話絵本 第3回>
今回はだれでも知っているイギリスの昔話「三びきのこぶた」をご紹介します。
現在日本では何十種類も出版されていますが、その中には話を書き換えられている絵本も沢山あります。
もともとのお話は、一匹目がオオカミに食べられ、二匹目もオオカミに食べられ、三匹目は知恵と勇気を使って怖いオオカミをやっつけるお話です。それが、おそらく「食べられるのは可哀そう」などの理由により、最後にこぶたが三びき揃っている絵本が多くあるのです。
一匹目のこぶたはまだ危機に対する備えができていません(言わば幼年期)。二匹目は少しは危機に対する備えができていましたが、まだ十分ではありません(言わば青年期)。三匹目のこぶたは、暴風雨にも耐えられるようなしっかりとした備えをし、それでも次々と襲ってくる危機を知恵と勇気を使って乗り越えていきます。
最後まで三びきのこぶたがそろっているのでは、未発達の幼年期や青年期を引きずったままになってしまいます。読んでもらう子どもは今はまだ弱い存在ですが、色々な事を学び成長していくと、恐ろしいオオカミさえもやっつけられるようになるという成長への意欲を持つのです。
数ある絵本の中には、オオカミが降参しあやまって、一緒に仲良く揃っている絵本もあります。こうした絵本を読んでもらった子どもの心の底には、「オオカミがいつまた野生に戻って襲ってくるかもしれない」という不安が残ってしまいます。
今回ご紹介している「三びきのこぶた」は左にある見開きのように、知恵を使ってオオカミを鍋に落とし、食べてしまいます。怖い悪いオオカミが完全にいなくなってしまうから、心の底から安心し、喜ぶのです。
裏表紙を見てみると、そのこぶたは年をとり子孫もたくさん繁栄し、幸せに暮らした絵が描かれています。
何百年も伝わってきた昔話の内容を正確に伝えられている絵本を子どもに与えてあげたいものですよね。

その他の「昔話絵本」 昔話絵本セット



いっすんぼうし
・いっすんぼうし
著者: 石井桃子
画家: 秋野不矩
出版社: 福音館書店
対象年齢: 4歳〜
価格: ¥1,050‐
いっすんぼうし

いっすんぼうし



つるにょうぼう
・つるにょうぼう
再話: 矢川澄子
画家: 赤羽末吉
出版社: 福音館書店
対象年齢: 5歳〜
価格: ¥1,260‐

つるにょうぼう

つるにょうぼう
<昔話絵本 第2回>
前回から始まった昔話絵本特集の続きです。
ある幼稚園で先生が素話で「いっすんぼうし」を語っていると、しばらくして子どもが「先生、いっすんぼうしってどんな帽子?」と、聞いたそうです。「一寸」という言葉も、「法師」という言葉も知らない子どもは、お話のイメージが湧かなくてお話についてこれなかったのです。
子どもは絵本の絵を読むことにより、その言葉に対するイメージという知識を蓄積していきます。それだけに、描かれている挿絵の質の高い「本物の絵本」に出会わせてあげたいものです。
「いっすんぼうし」
ここにご紹介する「いっすんぼうし」は、女流日本画家に与えられる最高の賞である「上村松園賞」を受賞された京都画壇の重鎮、秋野不矩さんの美しい挿絵で表現されています。テキストは「ノンちゃん雲にのる」で文部大臣賞を受賞されたり、ピーターラビットの翻訳などをされた日本の児童文学の草分け的な存在であった石井桃子さんの美しい言葉で書かれています。数多く出版されている「いっすんぼうし」のなかでもすばらしい作品だと思います。
第1回の時に述べたように「子どもは昔話を読むことにより、生きる希望や勇気、そして生きる力を身につける」と深層心理学者は語っています。この「いっすんぼうし」をとってみても、初めは小さな弱い存在のいっすんぼうしがやがて都にのぼり、大活躍をして幸せになるこのお話は、現在はまだ小さな弱い存在の子ども達の心に成長するという夢や、将来に向かっての希望を語りかけます。

「つるにょうぼう」
この絵本は、一般的には「つるの恩返し」と言われているお話です。
小さなノーベル賞とも言われる国際アンデルセン賞特別賞を受賞され、日本を代表する絵本作家、赤羽末吉さんの集大成ともいえる作品です。
このお話を描くために赤羽先生は、はた折り機を求めて何年もかけて東北地方を中心に博物館を歩かれたそうです。和紙に描かれた日本画は雪深い雪国の寒さや、部屋の暖かさ、娘が身を削ってやつれていく様子など、まさに迫真の絵です。鶴が飛び去っていき、文章の無い最後の場面はなんとも美しく、いつまでも眺めていたほどです。子どもの心に残る感動は長く余韻を引くことでしょう。

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ももたろう
ももたろう
著者: 松居 直
画家: 赤羽末吉
出版社: 福音館書店
対象年齢: 5歳〜
価格: ¥1,050‐
ももたろう

ももたろう




かさじぞう
再話: 瀬田貞二
画家: 赤羽末吉
出版社: 福音館書店
対象年齢: 4歳〜
価格: ¥840‐

かさじぞう見開き1

かさじぞう見開き2

<昔話絵本 第1回>

今回から数回にわたり、子どもの成長に欠かせない「昔話絵本」をご紹介します。
「昔話は人間の内面を語り、無意識の世界を語っています。子ども達は昔話を聞いていると、心の中に語りかけられ無意識の中で、生きる希望や勇気、そして生きる力を身につける」と、深層心理学者ブルーノ・ベッテルハイム氏は語っています。
しかし、いざ購入しようと思っても同じ題名の絵本が数多く出版されています。では、どの様な絵本が良いのでしょうか。
昔話は口承文学ですから、それを絵本にするとその挿し絵が子どものイメージを固定してしまいます。それだけに絵の質の高さが求められます。例えば、マンガの様な挿し絵の絵本を読んだ子どもは、そのマンガの様な「ももたろう」のイメージになってしまうのです。

<ももたろう>
赤羽末吉さんの「ももたろう」は伝統的日本画で実に力強い「ももたろう」を描いています。現在我が国で出版されている「ももたろう」を集めると、数十種類はすぐに集まるほどたくさん出版されていますが、文学的にも、美術的にも、絵本の質的にも、この絵本が最高レベルのものだと思います。

<かさじぞう>
同じ赤羽末吉さんの挿し絵の絵本です。和紙に扇面の構図で水墨画で描かれています。
水墨という表現と和紙の素材の白が調和し、湿度の高い雪が見事に描かれています。特に第3場面と第4場面での寒さ、暗さ、静けさの表現、最終場面の明るさなどの表現は正に芸術的です。
日本文学の先達、瀬田貞二さんのリズミカルな文章と相まって、すばらしい絵本です。

我が家では長女が2歳半の時にスラスラと次女に読み聞かせをしていて、いつの間に文字を覚えたのかとびっくりした事があります。実は文字を読んでいたのではなく、全文丸覚えしていたのでした。
子どもは言葉を耳で聞き、絵を読んで楽しんでいます。その言葉が美しく、リズミカルで、耳ざわりの良い言葉だと乾いた砂に水が染み込むように自然に身体に入っていくものです。


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はねはねはねちゃん はねはねはねちゃん
作者:なかがわりえこ
画家:やまわきゆりこ
発行:福音館書店
定価:¥735-
対象年齢:1歳〜


はねはねはねちゃん見開き1


はねはねはねちゃん見開き2


はねはねはねちゃん見開き3


はねはねはねちゃん見開き4

今月は、中川李枝子さん作の「はねはねはねちゃん」をご紹介します。
ある保育園の2歳児の発表会でこの絵本を題材にされたそうです。クラスの子供たちが一番好きな絵本ということで選ばれ、みんなノリノリで観ていた父兄も感激されたそうです。
1〜2歳児が何故そんなにこの絵本が好きなのでしょう。「ことばのリズム」の良さが一番にあげられます。
作者の中川李枝子さんは「ぐりとぐら」「いやいやえん」他、多くのベストセラーを書いていらっしゃいますが、どれもことばのリズムが良くて、耳ざわりがとても良く、しかも磨き上げられた美しい言葉で書かれています。
幼児の言葉の獲得に大切なことは、「その子がどれだけあたたかい言葉、豊かな言葉、人間らしい心のこもった言葉を耳から聞いているか」だと言われています。乾いた砂に水がしみ込む様に耳から聞いた言葉を獲得していきます。
それだけに読んでもらう絵本の質の高さがその子の文体感覚を育てます。その上、私達の思考は「日本語」で考えるのですから、その子が持っていることばの質と量はその子の思考力を育てるのです。
良い絵本を読んであげると「ことばの芸術家」の美しいことばを借りて、お父さんお母さんのやさしい、豊かな、人間らしい心のこもったことばで子どもの心に語りかけることができるのです。




わにわにのおふろ
わにわにのおふろ
出版社 :福音館書店
著者   :小風 さち
翻訳   :山口 マオ
定価   :¥840-
対象年齢: 2歳〜

わにわにのおふろ

わにわにのおふろ

「わにわにのおふろ」
今月は、発売当初以来、子どもたちの心に火をつけ、熱狂させた作品「わにわにのおふろ」をご紹介させて頂きます。
ワニのわにわには、おふろが大好き。おふろ場にやってきて、蛇口をひねってお湯を入れ、お湯につかっておもちゃで遊びます。せっけんのあぶくを飛ばして遊んだ後は、シャワーをマイクに歌まで歌うのです。「うりうりうりオーイエーイ」!おふろから出ると、ちゃんとタオルで体をふきます「ぐにっぐにっぐなっぐなっ」と。そうして、わにわにはおふろから出ていきました・・・
力強いスミ線で描かれた木版画のわにわにが、迫力満点でなんとも魅惑的です。ワニ本来の不気味さをちょっと漂わせているのも子どもたちを惹きつける点でしょう。何より、わにわにが好き放題、堂々と大胆に楽しいことだらけをやってくれるので、子どもたちも嬉しくてたまりませんよね。
 作者の小風さちさんは、ある日テレビで「伊豆のバナナワニ園で、ワニの引っ越しがありました」というニュースを見て、数日後、早速バナナワニ園へ行かれたそうです。そこで間近に見たワニにいたく感動し、この茶目っけとユーモアたっぷりの「わにわにのおふろ」が生まれました。子どもとともに大人も、どうぞ、わにわにのパワフルでのびやかな世界に触れてみて下さい。




わにわにのごちそう
わにわにのごちそう
出版社 :福音館書店
著者   :小風 さち
翻訳   :山口 マオ
定価   :¥840-
対象年齢: 2歳〜

わにわにのごちそう

わにわにのごちそう

「わにわにのごちそう」
続いて「わにわにのおふろ」の続編、はらぺこのわにわにが台所にやってくるところから始まる「わにわにのごちそう」をご紹介させて頂きます。
 「わにわにのごちそう」も、前作の「わにわにのおふろ」に負けず劣らず、わにわにのパワーが全開です。ちょっと無骨で強面、しかし愛らしく子どもっぽいわにわにが、今度は手作り料理に挑戦します。お腹が空いたわにわには、台所の冷蔵庫を開けます。中には、大きな鶏肉のかたまり。ちゃんとエプロンをして、フライパンでじゅうじゅう焼きます。熱々の鶏肉を丸ごと「がふっがふっ」とかじりつき、「ぐびっぐびっ」と飲み込んで、それはそれは充実したお昼ご飯でした。そして、とがった爪を楊枝がわりにして「しーしーちーちー」と、牙を掃除します。満腹になったわにわには、「ずりづづづ、ずりづづづ」と台所を出ていきました。ああ、しあわせなわにわに・・・
年齢不詳、性別不詳、大人か子どもかもわからないわにわに。大人がやるような仕草もやったりします。そんな色々な顔を持つわにわにに、子どもも大人も魅了させられるのでしょう。




わにわにのおでかけ
わにわにのおでかけ
出版社 :福音館書店
著者   :小風 さち
翻訳   :山口 マオ
定価   :¥840-
対象年齢: 2歳〜

わにわにのおでかけ

わにわにのおでかけ

「わにわにのおでかけ」
そして、好評の「わにわに」シリーズの第3作目「わにわにのおでかけ」もご紹介させて頂きます。
わにわには、初めて家の外へ出かけ、夜の縁日に行ってたっぷり楽しんで帰ってくるというお話です。わにわにが住んでいる小さな家の全景からはじまって、無骨な顔に似合わず、可愛い花柄の布団で寝ているわにわに。眠れないわにわには、窓を開け、みんながどこかに出かけるのを見てついていくことにします。そして、夜の闇の中を歩いて行くと、たくさんの人で賑わっている縁日にたどり着きました。そこでわにわには、あれも欲しい、これも欲しい、金魚つりもしてみたいと、わくわくします。そんなわにわには、まるで好奇心を持った小さな子どものように描かれています。これからの季節にピッタリな縁日での遊びを体験し、不思議な魅力をもったわにわにと一緒に縁日に出かけみてはいかがですか?




はけたよはけたよ
・はけたよはけたよ
出版社 :偕成社
著者   :かんざわ としこ
画家   :にしまきかやこ
定価   :¥1050-
対象年齢: 2歳〜

子どもが成長していく過程で、少しずついろいろなことができるようになっていく姿を見るのは親の喜びの一つですよね。また、できるようになった子どももはかり知れない喜びを味わい、次にまたできるようになる何かを探す。子どもの成長はその繰り返しの毎日です。
 この絵本は、たつくんという男の子が一人でパンツをはけなくて、パンツをはかずに外へ飛び出します。犬や猫、ねずみ、牛、馬がやってきてしっぽのないおしりを見て笑います。
「いいやい、いいやい、しっぽなんかなくてもいいやい」たつくんは走ってその場から逃げだすと、田んぼでさぎに会います。一本足で上手に立っているさぎに「ぼくならすぐころぶのに、どうして上手に立ってるのかな。おしえてよ さぎくん」。たつくんはさぎの真似をしましたが、やっぱり「どでん!」しりもちついておしりはどろだらけ。
たつくんはうちへ帰ってお風呂場でおかあさんにおしりを洗ってもらい、もう一度パンツをはいてみます。片足上げて「また どでん!」、「めんどくさいなあ しりもちついたまま はけないかな」。
はけたよはけたよそうしたら、「あらら はけちゃった。パンツがはけちゃった。これならズボンもはけるよ」。
たつくんはパンツとおかあさんが縫った新しいズボンをはいて外へ行くと、さっきの動物たちがやってきて、たつくんのおしりを見て言いました。「いいなあ。いいなあ。ぼくたちもおかあさんに縫ってもらいたいなあ」。

 娘が二歳になる少し前、パンツをはくのをいやがる時期がありました。ちょうどその頃この絵本を読んでみると、動物たちに笑われるのがいやだったのでしょう。パンツをはくのをいやがらなくなりました。
そして、パンツをはくのをいやがることがすっかりなくなったなあと思いだした頃には、一人でパンツやズボンをはくと言ってきかなくなり、どんなに時間がかかっても手出しはできませんでした。今ではすっかりパンツをはくのはあたりまえになり、着がえは少しずつ上手になってきました。

はけたよはけたよ 子どもが必死になっている姿、もくもくと何かを成し遂げようとしている姿は微笑ましく、時には手をさしのべてあげたくもなりますが、自分の力でできたときの喜びは次に何かを成し遂げる心の糧になりますよね。
「はけたよ はけたよ」は、そんな子どもの小さな喜びがあふれている絵本です。お着がえができるようになる、どの子もとおる道ですよね。その年齢の子どもたちが興味をもち、大好きになる絵本間違いなしの一冊です。




ちいさいおうち
ちいさいおうち
出版社 :岩波書店
著者   :バージニア・リー・バートン
定価   :¥1680-
対象年齢: 5歳〜

今月は、1942年に出版されて以来50年以上に渡り読み継がれてきた、バージニア・リー・バートンの絵本「ちいさいおうち」をご紹介します。
「むかしむかし ずっといなかの しずかなところに ちいさいおうちがありました。それはちいさいきれいなおうちでした。しっかりじょうぶにたてられていました」と、始まるこの書き出しは子どもには耳なれた語り口でとても親しみが持てます。
いつ、どこで、だれが、が過不足なく簡潔に語られています。それに続くフレーズと絵を見ると、この小さいお家に住んでいる人は独立自営農民だという事が感じられます。そして、お家に人間のような顔の表情があるのが子どもの気持ちを引きつけます。
ページをめくると少し遠くから眺めたような、背景も入れたお家が描かれています。その後からはお家の周囲の環境の変化で物語を進展させると同時に時間の流れが語られるのですが、場所を固定させる事によって、目に見えないはずの時間を感じる事ができます。太陽の表情の変化で朝から夕方までの1日が表現され、そして夜になります。ちいさいおうち
そして春夏秋冬と四季が移り変わります。季節の花が咲いたり、実がなったり、農作業や子どもの遊び、年中行事などから季節ごとに変化する生活の様子が細かく描きだされます。登場する乗り物の変化も見逃せません。1日、1週間、1か月、1年の時の流れが静かに語られます。

ちいさいおうちそんな穏やかな光景が一転して突然見慣れない機械が現われ、道路建設が始まります。調和のとれた夢のような平和な景色が無残に崩される道路工事のすさまじさは、子どもに強い印象を与える事でしょう。まさに環境破壊を絵に描いたようで、この場面を眼にすると絵が物語る力をつくづく感じさせられます。電柱が道路沿いに立ち並び、ガソリンスタンドができ、自動車がスピードをあげて走り回ります。まるで、騒音と空気の汚染が感じられるかのようですが、小さいお家の煙突からは煙が出ていますので人が生活しているのが分かります。

ちいさいおうちところが、次の場面になるともう煙突から煙が出ていません。環境がどんどん激変していったのです。さて、小さいお家はどうなるのでしょうか?環境破壊が続く中、いよいよ小さいお家のお引越しが始まります。
この絵本の主人公は見てのとおり小さいお家ですが、それと同時に、昼と夜、1日、1週間、1か月、1年、そして歴史など「時」のすべてをこの絵本は語りつくしています。




てぶくろ
てぶくろ
出版社 :福音館書店
著者   :ウクライナ民話
画家   :エウゲーニー・M
      ・ラチョフ
定価   :¥1,050-
対象年齢: 3歳〜

てぶくろ


てぶくろ

 今月は、冬を迎えるのにふさわしい絵本、てぶくろの中にどんどんいろいろな動物が入っていく不思議なお話「てぶくろ」をご紹介させて頂きます。
雪の中におじいさんが片方落していった手袋、ねずみがかけてきて、てぶくろにもぐり込んできて言いました。「ここで暮らすことにするわ」。そこへ、かえるがぴょんぴょんはねてきて、「だれ、てぶくろに住んでいるのは?」「わたしも入れて」、「どうぞ」。次にうさぎにきつね、おおかみ、いのししがやってきて、最後にはくまもやってきて、てぶくろに入ろうとします。
 最初、ねずみはとても小さく、てぶくろはねずみの何倍もの大きさで登場しますが、次のページでは、てぶくろにははしごが加えられ、その次のページには入口が広げられ土台まででき、わらの屋根もつき、最後には窓のついた暖かそうな家と化していくてぶくろを見て、子どもたちはその変化をページをめくるごとに楽しむことができるでしょう。2匹が入ってもまだまだ余裕のあったてぶくろが、3匹になり、最後には6匹になり、てぶくろの増改築は見事に進んでいきますが、ぎゅうぎゅう詰めになってしまいます。そこに、くまが入ろうというのですから、いくら子どもでも「無理かな?」と思ってしまうと思いがちですが、こんなふうに少しずつお話が進んでいくと、「くまだって、てぶくろの中に入れるかもしれない・・・」と思えてくるから不思議です。また、登場人物のネーミングも楽しく、「くいしんぼうねずみ」、「ぴょんぴょんがえる」、「はやあしうさぎ」、「おしゃれぎつね」・・・といったふうで、それぞれの着ている民族衣装のような洋服も見ものです。ストーリー、文章、絵とそれぞれを何通りにも楽しむ事ができます。丁寧に細部まで描かれた絵を眺めているうちに、絵本の世界に入り込み、登場人物と一緒にお話の中に行って、そして帰ってくることを体験できる絵を読む楽しさがいっぱいの絵本です。

その他の「冬の絵本」もたくさんご紹介させて頂いております。




サンドイッチサンドイッチ
サンドイッチサンドイッチ
著者:小西 英子
出版社:福音館書店
対象年齢: 1歳〜
価格: ¥840-
 たくさんある絵本の種類の中で、何が一番幼い子どもの心をとらえ、興味を抱かせるかと言ったら、間違いなく食べ物の絵本が一番と言えるでしょう。
まだ、ほんのわずかなものしか食べたことのない赤ちゃんでも、食べたことのないおいしそうな食べ物を眼の前にしたら、目を見張るのですから不思議なものです。やはり、食べ物は生命の根源なのでしょう。
今月は、人気の食べ物絵本作品を持つ小西英子さんの絵本「サンドイッチ サンドイッチ」と「おべんとう」をご紹介させて頂きます。


サンドイッチサンドイッチ
サンドイッチサンドイッチ
 「サンドイッチ サンドイッチ ふわふわパンに なに のせる」真っ白なふわっふわっなパンの上に、バターをぬって、レタス、トマト、ハム、チーズが次々にのせられ、サンドイッチが出来上がっていきます。やわらかくておいしそうなパンに、みずみずしい野菜、鮮やかな色彩で描かれたハムやチーズは、思わず手をのばしてみたくなるほどリアルに描かれています。そして、リズミカルでダイナミックな展開は、発売当初から多くの子どもたちの心を釘付けにしました。この絵本に描かれているのは、単においしそうな食べ物だけでなく、サンドイッチを作ってくれる手のぬくもり。実際に手は登場しませんが、丁寧で愛情たっぷりのサンドイッチを作ってくれる、そんなおかあさん、おとうさんの存在を感じる絵本です。
 食べ物をおいしく楽しく食べることは、体だけでなく心も育てる大切な経験です。その食べることの大切さを伝えてくれるかのような絵本です。

おべんとう
・おべんとう
著者:小西 英子
出版社:福音館書店
対象年齢: 1歳〜
価格: ¥840-
「おべんとう」
 まず、表紙にはブッロコリーに卵焼き、まあるく切ったにんじん、緑に黄色に赤の3色がぱっと目を引く魅力的な表紙です。
表紙を開くと空のおべんとう箱「さあて なにから いれようか?」、まずは「ふっくら ほかほか たきたて ごはん」です。
それからあつあつミートボールにふんわり卵焼き、忘れちゃいけないタコさんウィンナー、ほっこり緑のブロッコリー、丸くて甘いにんじん、じゃがいもたっぷりポテトサラダ、最後はデザート!真赤ないちご。
おかずが次々と詰められて、なんともおいしそうなおべんとうが出来上がっていく過程に、子どもたちの期待がどんどん高まっていきます。
おべんとう
おべんとう
大人も子どもも大好きなおべんとう、中身はおべんとうに人気の食材ばかりです。
おべんとうができる嬉しさ、楽しさが存分に描かれ、おいしいおかずが、形よく彩りよくお弁当箱に詰められていく様子は、作ってくれるおかあさん、おとうさんの愛情がぎゅっと詰まってるのが感じられます。そんなお弁当箱を開くように、この絵本を開いて下さい。子どもたちが魅了されること間違いなしです。
「子どもに頼まれて、この絵本と同じお弁当を作りました」という、写真入りのお便りが発売当初出版社にたくさん届いたそうです。



おやすみなさいコッコさん
おやすみなさいコッコさん
著者:片山 健
出版社:福音館書店
対象年齢: 2歳〜
価格: ¥840-
「おやすみなさいコッコさん」
 みなさんは、夜、わが子の寝かしつけに「これが一番」という絵本を持っていますか?子どもは、眠たくないときは、なかなか寝てくれないものです。そんな幼い子ども心が表情豊かに素敵に描かれた絵本「おやすみなさいコッコさん」をご紹介させて頂きます。
 
 おつきさまが いいました。
 「コッコさん おやすみなさい。もう そらの くもも ねむったよ」
 コッコさんが いいました。
 「そらの くもが ねむっても コッコは ねむらないもん」
 「ふとんも ねむったよ」
 「ふとんが ねむっても コッコは ねむらないもん」

おやすみなさいコッコさん池の水も、魚も、鳥も、犬も、おにいちゃんも、くまさんも、みんな寝てしまいます。「コッコは ねむらないもん」と、どうしても眠るまいと頑張りますが、手を広げ指をいじっていたら「ほーら おてても ねむったよ」、「おててが ねむっても コッコは ねむらないもん・・・ コッコは・・・ねむらない・・・もん・・・」と言いながら、やっと眠りにつきます。
 お月さまとコッコさんの繰り返しの会話が眠りを誘います。また、青や緑、茶色で描かれた水彩画が、夜や月の光に吸い込まれていくかのようです。布団に入るコッコさんの姿は、「ああ、小さい子ってこんな感じだよね」と思わされほど愛らしく目に映ります。

作者 片山健さんの絵本を初めてご覧になる方は、個性的な女の子の顔や、独特な色遣いの挿絵に、パッと見の印象があまり良くないと思われるかもしれませんが、実際に読む前と読んだ後では一変します。表面的なわかりやすいかわいさとは違った魅力があります。「おやすみなさいコッコさん」をはじめとする「コッコさん」のシリーズを読むと、主人公のコッコさんの目の表情や仕草など、一瞬一瞬のいかにも子どもらしい動きがとてもうまく捉えられていて、様々な感情が見事に描き出されているのがわかります。

おやすみなさいコッコさん2歳前の子に、「おやすみなさいコッコさん」を読んであげたところ、自分の知ってる魚や鳥、犬、おにいちゃんが登場し、次々に寝てしまうのを静かに聞いていました。そして、絵本の中のくまさんが眠りつく前に、自分のお気に入りのぬいぐるみのくまを胸に抱き、次に手を広げ、おててが眠りつく前にコッコさんと同じように指をいじって、布団が眠りにつく前に、布団を引き寄せる仕草をします。そして、コッコさんが眠りにつくと「くうーくうー」と言って、自分はまだ寝ていないのですが、かなり眠たそうにしていました。読み聞かせの絵本の中の順番を後の方にすれば、間違いなく眠りにつけそうです。そして、毎晩読み聞かせてあげるほど、お気に入りの絵本になりました。

                 その他の「片山健さんの絵本」



めのまどあけろ
めのまどあけろ
著者:谷川 俊太郎
出版社:福音館書店
対象年齢: 2歳〜
価格: ¥840-
「めのまどあけろ」
今月は、詩人、翻訳家、絵本作家としても有名な谷川俊太郎さんの絵本「めのまどあけろ」をご紹介させて頂きます。
わらべうたと言ったら、まっ先に思い浮かべるものは何ですか?「あがりめさがりめ」、「てるてるぼううず」、「うまはとしとし」、「もういいかい」など、言われてみると、知ってる、知ってると、思わず口ずさんでしまいたくなる歌がたくさんありますよね。
わらべうたが、単なる歌でも詩でもなく、子どもの心と体の一つになった深いところに働きかける呪文のようなものであることは間違いなさそうです。

保育園や幼稚園、家庭で実際に歌って遊んだことのあるお父さん、お母さんならご存じのことと思います。本来、子どもたちがどんなにわらべうたを好きか、どんなに子どもが歌の力に動かされるかを、わらべうたをとおして知ることができます。
 作者の谷川俊太郎さんは、今の世の中の子どもの暮らしにふさわしいわらべうたがあってもいいのではないかと思い、この絵本を作られたそうです。
めのまどあけろ「目で読むだけでなく、声に出し、体を動かし、遊ぶこともできるわらべうたの実用性に、かえってことばの豊かさを感じて、私も昔の無名の人々にあやかって、わらべうたをつくってみました」と谷川俊太郎さんは言われています。
<めのまどあけろ おひさままってるぞ> 朝起きるときのうた。寝起きの悪い子をそそのかして起こすのにも使えるでしょう。
<いちばんぼたん とおりゃんせ とんねるくぐってうみへでる>着がえのうた。
子どもの指の動きに合わせて、ゆっくり唱えていいと思います。<ほっぺたのはらに あめがふる おでこがおかに あめがふる>顔を洗うときのうた。
<にょろにょろあるくの へびですね>歩きながらそれぞれの歩き方を真似して楽しんでもいいし、立ち止まってむずかる子をなだめることもできるでしょう。
<いっぽんあし かかし>遊びうたです。片足で立つ子の頭に何かをのせたり、くすぐったりして、いつまでも倒れずにいられるかを競う。
<いいたいとこ とんでいけ>伝承わらべうたにもある<ちちんぷいぷい>などの現代版。
<かんかんおこりむし>怒ってすねている子をからかい、かつはなでめるうた。
<ひっちらかし とっちらかし>後片づけを促すうたですが、子どもにとっては散らかすこともまた楽しいと思うので、あえて二節にしました。しつけも大切ですが、子どものエネルギーの解放もまた認めたいと思います。
めのまどあけろ<せっけさんが すうべった>
お風呂でのふざけうた。
<ふとのうみに もぐったら>
子守うたの一種でしょうか。
 以上、作者の意図するところを谷川俊太郎さんが解説したものです。

わらべうたは、それぞれの場面で、それぞれの子どもに合った遊び方が工夫できるのも魅力です。私は、まだ顔も洗うこともできない、片足で立つこともできない、一歳半の子どもに、まだ早いかな?意味がわかるかな?と思いながらも、わらべうたのような節をつけ、この絵本を読んであげました。すると、おとなしく読み終わるまで聞いていたのには驚きました。そして、あっという間に何度もリクエストされる、子どものお気に入りの絵本の仲間入りをしました。やはり、わらべうたは不思議な魅力を持つ呪文なのかもしれません。




きたきたうずまき
きたきたうずまき
著者: 元永 定正
出版社: 福音館書店
対象年齢: 0歳〜
価格: ¥735-
 今月は、絵本だけでなくモダンアートの世界で国際的な活躍をされていた元永定正さんの絵本「きたきた うずまき」をご紹介させて頂きます。
言葉がリズムとなって次々に展開する絵の世界「もけら もけら」、様々な小さな色鮮やかな玉たちが、ころころ転がっていく「ころころころ」など、元永定正さんの絵本をご存じの方もたくさんいらっしゃると思います。
これらの絵本は、発売当時、親からの抗議の手紙も多く、ある図書館の館長が新聞に「図書館で購入しようかどうか迷った」と書いたこともあったということです。
それなのに、幼い子どもたちが元永さんの絵本に夢中になるのはどうしてでしょう?元永さん自身も「その理由はわからないけど、僕は絵に子どもも大人もないと思って描いている。自分の頭の中に浮かんでくるものを形にしていく。純粋に面白いものを作りたい。その一生懸命なところに子どもは心を動かしてくれるんじゃないかなぁ」と、あるインタビューでお答えになっていました。

きたきたうずまき作者の元永さんは、今までにない新しい絵本を作りたいという意欲を常に持っていらっしゃる方で、色と抽象的な形で構成された、絵巻物のような絵本を作りたいと考え、渦巻き模様がページを渡ってつながっていく絵本「きたきた うずまき」を発想されたそうです。

前半の5場面に登場する渦巻きは全てつながって描かれています。大人が見たらただの渦巻きですが、発想の転換をして考えてみると、くるくる渦のまいたキャンディーやロールケーキ、台風、かたつむり、指の指紋、つむじなど、身近なものであることがわかります。

きたきたうずまき幼い子どもは、それを本能的に理解しているのかもしれません。「きたきた うずまき」とページいっぱいに並んだ渦巻き模様たちは、長さ、太さ、大きさも様々で、ピンク、黄色、紫に緑、赤と色も様々。その渦巻きたちは、あるときは大きく(おおまき)、あるときは小さく(こまき)、縦に伸びたり、横に伸びたり、自由自在に変化していきます。「くるるる くるるる くるくる くるりん」といったリズミカルで楽しい擬音語とともに、華やかな色彩の渦巻き模様が次々と現れます。まるで、飛んだり跳ねたりしながらダンスを踊っているかのようにも見えます。
幼い赤ちゃんは、柔らかな感性を持っています。
大人には理解できないものでも、赤ちゃんの五感を刺激するものがあるのでしょう。読んであげると、0歳の赤ちゃんでも目を釘付けにして、静かに聞いています。
そして、1歳くらいになると読んでほしいとリクエストの多い絵本の中の一つになるのは間違いない絵本です。
                 その他の元永定正さんの絵本を見る



かささしてあげるね
・かささしてあげるね
著者: はせがわ せつこ
画家: にしまき かやこ
出版社: 福音館書店
対象年齢: 1歳〜
価格: ¥600-
かささしてあげるね

かささしてあげるね
<かささしてあげるね>
梅雨を目前にしたこの季節に、雨の日も楽しくなる絵本「かささしてあげるね」をご紹介したいと思います。
雨音が「ピッチャン パッチャン」、「ピロリン ポロリン」、「ピピ ポポ」、「シッポ シャッポ」・・・特徴的な擬音語で雨の音を表現し、ゾウやキリン、アリ、クマなどの動物たちがそれぞれの違う音を奏でます。ストーリーは、軽快な詩のリズムにのせられて、楽しく展開していきます。
そして、傘を持った優しい笑顔の男の子の「かささしてあげるね」という言葉がなんとも優しく心に響きます。
西巻茅子さんのやさしいタッチの挿し絵によって、小さな傘、大きな傘、柄の長い傘など、いろいろな形の傘や、場面ごとに応じ変化する雨の音や形が効果的に描かれています。
幼児の興味を引くものがたくさん出てくるのも魅力の一つです。
男の子と動物の交流がほのぼのとして心温まる絵本。幼児はきっと、雨の日に傘を持って出かけたくなることでしょう。

ちいさなきいろいかさ
ちいさなきいろいかさ
著者: もり ひさし
画家: にしまき かやこ
出版社: 金の星社
対象年齢: 3歳〜
価格: ¥1,155-
ちいさなきいろいかさ

ちいさなきいろいかさ
<ちいさなきいろいかさ>
雨の日も素敵な日に変わる絵本をもう一冊ご紹介させて頂きたいと思います。
なっちゃんは、おかあさんに買ってもらった小さな黄色い傘を持って出かけます。なっちゃんが「あめふってこないかな」と、思っていると、「ぽちん ぽちぽち」と雨が降ってきます。うさぎさんやりすくん、だっくすくん、ばくさん、きりんさんと次々に出会う動物達が全員、黄色い傘の下に入ってしまい、傘は広くなったり、低くなったり、大きくなったりと変化します。そして、ついには高い木に通せんぼされて通れなくなってしまいますが、皆、きりんさんの背中に乗って木よりも高く傘をさし、無事通ることができました・・・
優しい色使いの絵と、メロディのように流れる詩にのせられて、ページをめくるごとに幼い心に素敵な夢と豊かな愛をもたらし、育んでくれます。そのファンタジーの中の出来事を、「あのね あのね いいことあったの」と、お母さんに伝える事でストーリーは締めくくられていて、親子で触れ合う素敵な時間を感じる絵本です。



         その他の西巻茅子さんの作品




くつくつあるけ
くつくつあるけ
出版社 :福音館書店
著者   :林 明子
定価   :¥735-
対象年齢: 0歳〜

 今月は、いつも子どもの目線に立って、子どもの姿を丁寧に描いている人気絵本作家、林 明子さんの数ある絵本の中から「くつくつあるけ」をご紹介させて頂きます。
 赤ちゃんにとって、初めてあんよができたとき、それは大きな喜びですよね。自分から大好きなママやパパの所に歩いて行けたとき、遊びたいおもちゃや人形を自らの手で取りに行けたときの感動は計りしれないものです。
そして、初めて靴をはいて外に出て歩けたとき、初めは足がもつれて上手く歩けなくて少々転んでも、子どもはめげずに立ち上がり、夢中になって歩きます。まるで、そんな子どものファーストステップを、子どもが靴をはいて歩いているかのように、靴が表現してくれます。
くつくつあるけ「くつくつ あるいた ぱた ぱた ぱた さんぽに おでかけ」、「ぱたぱたぱたぱた はやい はやい」。まるで、靴のひもまでもが生きているかのように躍動的に動いて、つま先でとんとんしたり、ぴょんぴょん跳ねたりする様子に子どもは惹きつけられます。
くつくつあるけそして、「ぴょーん あっ あぶない」、「ごろん いたたた ころんじゃった」と、靴が転がっている姿を見て、子どもは少し心配そうな表情をしたり、ちゃんと起き上ったのを見て嬉しそうな表情をして自分の姿を重なり合わせることでしょう。

最後には、「もう ねむい ねむい くつくつ おやすみ ぐーぐーぐー」。楽しかったお散歩の後は、お昼寝です。これもまた、まるで自分と同じ姿に子どもは安心感も得られ、満足するのです。
歩き始めたばかりの子どもは、初めて自分の靴というものに出会えた喜びを、上手に歩けた喜びと同じだけもっていますよね。家の中でも靴をはきたがる子どももいるでしょう。そんなとき、この絵本を出してきて読んであげて下さい。
そして、また明日楽しいことが待っていると、親子で一日の終わりに絵本をとおして味わえることができたら素敵ですね。
絵のすみずみまで温かい心の行き届いた林 明子さんの絵本の世界は、子どもから大人まで広い世代に愛され続けています。

               その他の「林 明子さん」の絵本を見る




にんじん
にんじん
出版社 :福音館書店
著者   :せな けいこ
定価   :¥630-
対象年齢: 1歳〜

今月は、これまで手がけた絵本は70冊以上という せな けいこさんの絵本を何冊かご紹介させて頂きます。
「にんじん」
「にんじん」は一番最初に出版された絵本で、当時赤ちゃんの絵本といったらディック・ブルーナのうさこちゃんの絵本しかなかった頃に、絵本好きな息子さんのために作られた絵本だったそうです。
「うまさんは にんじんが すき だいすき ああ おいしい」と帽子をかぶった馬がにんじんをくわえています。そして、きりんやさる、ぶた、かば、ねずみ、ぞうにうさぎがそれぞれおいしそうににんじんを食べている姿が描かれています。
独創的な貼り絵風の挿絵は、他の絵本と違って、子どもの目を惹きつける上に、「おさるさんも にんじん ぽりぽり」、「かばさんも にんじん たべるの」、「ちいさい にんじんは ねずみさんの」、「おおきい にんじんは ぞうさんの」と少しずつ変化していく言い回しが挿絵を引き立たせ印象づけます。
最後のページには「にんじん すきな うさぎさん みたいな げんきなこ だあれ」と、男の子がにんじんの入ったスープをおいしそうに食べている姿が描かれていて、きっとにんじん嫌いな子どもにも、食べてみようかな?と思わせてくれる絵本です。

ねないこだれだ
ねないこだれだ
出版社 :福音館書店
著者   :せな けいこ
定価   :¥630-
対象年齢: 1歳〜

「ねないこだれだ」
 「夜、子どもがなかなか寝てくれなくて困る」とういうお母さん、お父さんの声も多いと思います。子どもの心境からしたら、眠いのに寝たくなくて、いつまでも遊んでいたいのでしょう。そして、夜になると外は真っ暗で、その闇の世界にはどんなものが存在するのか幼い子どもでも興味津津なのです。
 時計の針が9時をさしています。「こんな じかんに おきてるのは だれだ?」と暗闇に光る眼が描かれています。起きているのは「ふくろうに みみずく」、「くろねこ どらねこ」、「いたずら ねずみ」、「それとも どろぼう・・・」、「いえいえ よなかは おばけのじかん」。子どもたちがいつも目にするねこやねずみとは少し姿が違います。
そして、見たこともないどろぼうやおばけが登場するのです。そして、「よなかに あそぶこは おばけに おなり」、「おばけの せかいへ とんでいけ」と女の子がおばけにされて、おばけに連れて行かれてしまいます。子どもは怖いけど、不思議とおばけが大好きです。
文章は少々脅かし気味に書かれているのに比べ、登場する動物たちやどろぼう、おばけはどことなく愛嬌があって、単に子どもを怖がらせるためだけでないことがよくわかります。
まだ幼い子どもでも、なんとなく怖い雰囲気を感じ取りながら、夜というものを学び、寝なければいけないと思うのかもしれませんね。

ルルちゃんのくつした
ルルちゃんのくつした
出版社 :福音館書店
著者   :せな けいこ
定価   :¥630-
対象年齢: 1歳〜

「ルルちゃんのくつした」
 靴下をはくのが嫌いな子ども、靴下をはいても、すぐ脱ぎ捨ててしまう幼い子どもも多いことでしょう。そんな子どもにおすすめの一冊です。
 ルルちゃんがお昼寝のときに脱いだまま、どこへ行ったかわからなくなった靴下のお話です。先生に聞いても、友達に聞いてもどこへ行ったかわかりませんでした。そこでルルちゃんは考えます。「うさこが みみに はいたかな」、「わんこが くびに まいたかな」、「ねこちゃんが しっぽに はいたかな」、「ぞうさん ますくに してるかな」、「どこかで ないて いるのかな」。ルルちゃんが様々にめぐらす想像の世界が子どもたちの興味を引きます。そして「ごめんなさいね くつしたさん」と締めくくられ、ルルちゃんのしょんぼりとしている姿に子どもは自分の姿を思い重ねることでしょう。

きれいなはこ
きれいなはこ
出版社 :福音館書店
著者   :せな けいこ
定価   :¥630-
対象年齢: 1歳〜

「きれいなはこ」
 一つの箱をめぐって、ねこちゃんとわんちゃんが取り合いをするお話です。幼い子どもが一つのおもちゃを取り合い、どちらかの顔をひっかいてしまったなんて光景は、良く見かけますよね。絵本の中では、ねこがいぬをひっかいて、いぬがねこにかみつきます。すると「おやおや はこが すーっと あいて けんか するのは だれだー!」と、「ねないこだれだ」で登場したおばけが現れます。「ともだち ひっかく つめは ながく なあれ!」、「ともだち かじる くちは おおきく なあれ!」と、ねこは爪を長くされてしまい、いぬは大きな口にされてしまいます。そして、しまいにはおばけにされてしまうのです。
恐怖にはっと息をのむ子どももいるかもしれません。しかし、不思議と怖いけど子どもの大好きなおばけがすることは、親が叱るより効果大なのではないかと思わされます。子どもからしたら、現実に起こる恐怖はいやだけど、絵本の中でなら体験してみたいといったところでしょう。絵本の良いところは、読み手と聞き手が必ずいるので、共感できる人が側にいるということです。お父さん、お母さんに読んでもらっている子どもは、例え怖くても、戻っていける場所があるので、安心して絵本の世界を楽しめることでしょう。

あーんあん

ふうせんねこ

もじゃもじゃ

その他にも、なんでもいやだって言うルルちゃんのお話「いやだ いやだ」や保育園に行くのは楽しいこともあるけど、ママとのお別れが何よりも悲しくて泣いてしまうお話「あーん あーん」、怒ってばかりいたねこの顔がふくらんで、空に飛ばされてしまうお話「ふうせんねこ」、もじゃもじゃはなあに?と、色々なもじゃもじゃしたものが登場し、ちょきちょき切ったらきれいになったお話「もじゃ もじゃ」、どれも子どもが大好きになる絵本ばかりです。
これだけ、子どもの本質をとらえ、ポジティブに子ども心を描いた絵本が他にはないのではないかと思うほど、子どもはもちろん、その親までもが引き込まれる絵本です。親から子へ、そのまた親から子へ代々引き継がれている人気の絵本です。
             その他のせなけいこさんの絵本




おにぎり
おにぎり
出版社 :福音館書店
著者   :平山 英三
定価   :¥840-
対象年齢: 2歳〜

今月のおすすめ絵本は、数ある食べもの絵本の中から「おにぎり」をご紹介させて頂きます。
おにぎりは嫌いな人はいないのではないかと思うほど、年齢、男女問わず人気の食べ物ですよね。幼い頃、遠足や運動会のお弁当におにぎりが入っていると、いつものおにぎりがとびきりおいしく感じたものです。
おにぎりは、お弁当の定番といっても過言ではないので、小さい子にも馴染みのある食べ物です。
おにぎりの形や大きさは地域や用途や人によって違いますが、おにぎりの代表と言えば三角形でしょうか?おにぎりは、ご飯を手で握っただけの素朴な食べ物です。それではおにぎりを作る様子を見てみましょう。

おにぎり手のひらに水をつけ、塩をつけます。ギュッと握ってクルックルッっと回転させてます。絵本の中の手のひらの機敏な動きはかたまっていくご飯のしまり具合と形を瞬時に判断しているかのようです。その様子を見ていると、おにぎりは手の中で弾み、いきいきと動く手はその手ごたえを楽しんでいるようにも見えます。
おにぎりは手が作ります。手が学び経験する事によって独自のおにぎりが出来上がります。
そのおにぎりの作り方を言葉で伝える事はかなり至難の業です。それを見事に簡潔な文章と絵で伝えてくれます。

おにぎりお皿にのった出来たばかりのおにぎりは、よく見ると1個1個の形が少しずつ違っています。
それでいて、どれもふっくらとして温かな形をしています。
まだ、幼い赤ちゃんにおにぎりを作る工程は一見難しそうに感じられますが、あたたかい手のぬくもりの感じられるおいしそうなおにぎりに赤ちゃんも心を奪われる事間違いなしです。おにぎりを作る真似をして親子で楽しみながら読むのもいいでしょう。

生命の源「食欲」は赤ちゃんにもあります。赤ちゃんも食べ物に興味津々なのです。
まだ、おにぎりを食べた事のないあかちゃんにも「おにぎりおいしそう!」と思わせてくれる絵本です。
                  その他の食べもの絵本はこちら




サンタクロースってほんとにいるの?
サンタクロースってほんとにいるの?
著者   :てるおかいつこ
画家   :すぎうらはんも
出版社 :福音館書店
定価   :¥880-
対象年齢: 3歳〜

「サンタクロースってほんとにいるの?」
一緒に入ったお風呂の中で、二人の子供がお父さんに聞きます。「サンタクロースってほんとにいるの?」 この質問にお父さんは「いるよ」と答えます。この絵本は月刊絵本「かがくのとも」で生まれました。自然界の事、身の回りのこと、全て事実を子供に伝えるかがくの本の中で「いるよ」と答えているのです。
「えんとつがなくてもくるの?」「どうしてぼくのほしいものがわかるの?」「どうしてお父さんやお母さんにはこないの?」「サンタなんていないってみんないってるよ」子ども達は次々と質問します。お父さんは素敵な答えを子どもに聞かせ、最後に「いるよ。サンタはね こどもをよろこばせるのがなによりのたのしみなのさ」「だってこどもがしあわせなときは みんながしあわせなときだもの」と、すばらしい言葉で結びます。
  サンタクロースってほんとにいるの?見開き1      サンタクロースってほんとにいるの?見開き2 




サンタクロースっているのでしょうか?表紙
・サンタクロースって
いるんでしょうか?

訳者     :中村妙子
画家     :東 逸子
発行     :偕成社
定価     :¥840-
対象年齢  :4歳〜
サンタクロースっているのでしょうか?見開き1
サンタクロースっているのでしょうか?見開き2

「サンタクロースっているんでしょうか」
ニューヨークで本当にあったお話です。
8才の女の子がニューヨークのサン新聞に手紙を書きました。「ともだちはサンタクロースなんていないんだといいます。教えてください。サンタクロースってほんとにいるんでしょうか」 この問いにサン新聞はなんと社説で答えました。「バージニア、おこたえします。」で始まる名文の社説は世界中に広がりました。

松岡享子さんが「サンタクロースの部屋」という本の中で次のように述べています。
「サンタクロースを信じている子どもの心の中にはサンタクロースの部屋があります。いつか大きくなってサンタクロースは出て行ってしまいますが、心の中には部屋が残ります。そして、その部屋に新しい住人を迎えることができます。」「愛情とか信頼とか目に見えない大切なものをその部屋に住まわせる事ができるのは子どもの時に信じるという力が心の中に空間を創ったからです。」 すばらしい言葉だと思います。




ごぶごぶごぼごぼ
出版社 :福音館書店
著者   :駒形 克己
定価   :¥735-
対象年齢: 1歳〜

今月は、子どもが大好きな音を楽しむ絵本「ごぶごぶ ごぼごぼ」をご紹介させて頂きます。
子どもたちは、大人が聞き過ごしてしまうような雨の音、風の音、水の流れる音など、自然の中の音に聞き耳をたてていたり、言葉のもつ心地よい響きのリズムに強い関心を持ち、それを楽しむ柔らかい耳をもっています。
この絵本は、水の玉が動いていくような擬態語に合わせて、色の玉が小さくなったり大きくなったりし、子どもたちの目と耳を楽しませていきます。
小さい玉は「ぷーん」、「ぷ ぷ ぷ」、「ぷく ぷく ぷく」、「さわ さわ さわ」、大きな玉は「ど ど どぉーん」、玉が重なってできたひょうたんのような形は「ごぶ ごぶ」、「ごぼ ごぼ」、大きな波のような玉は「ざぶ ざぶ ざぶーん」などの音(言葉)で表現され、響きやリズムの楽しさを色鮮やかな赤、青、黄、オレンジなごぶごぶごぼごぼどの色で印象づけていきます。
ページに開けられた穴は、触って楽しむ遊びの要素が取り入れられ子どもに人気です。
2歳ぐらいまでの子どもたちが楽しめる絵本は、言葉との関係が大きいのです。子どもに誘いかけるような呼びかけや、繰り返しの言葉、リズムや動きがあり、響きのよい言葉に強くひきつけられます。
言葉に強い関心を持ち、言葉を獲得していこうとするこの年齢の子どもたちへ、言葉を具体的なイメージで心に描けることのできる絵本を与えてあげたいものです。それには、作品の世界の言葉を的確に表現した絵に接することが大切です。
ごぶごぶごぼごぼこうした絵本に出会うことで、子どもたちの言葉の世界はより広がっていきます。
子どもたちは、絵本の楽しさを大好きなおとうさんやおかあさんを通してたっぷり味わうことで、言葉を聞く喜びを知っていきます。そして、こうした言葉を聞く楽しさや喜びを繰り返し味わうことで、物語絵本を楽しめるように育っていくのです。
 その他、音の響きを楽しむ絵本として、「もけらもけら」、「がちゃがちゃどんどん」、「ころころころ」、「まるまる」などがあります。   音の響きを楽しむ絵本はコチラ




おやすみなさいおつきさま
おやすみなさいおつきさま
出版社 :評論社
著者   :マーガレット・ワイズ・
       ブラウン
定価   :¥1260-
対象年齢: 3歳〜

絵本は、読みとり方によって何通りもの遊びや楽しみ方が隠れているものがあります。
今月は、絵本の読みとり方の楽しさを教えてくれる「おやすみなさいおつきさま」をご紹介させて頂きます。
ベットの上の子うさぎが寝る前に部屋の中にある1つ1つのものに「おやすみ」と言います。月がのぼるにつれ、部屋の中がだんだん暗くなっていきます。
「おやすみほしさん」、「おやすみよぞらさん」、すべてのものに感謝をこめて「おやすみなさい」・・・

一見単純に見える絵本ですが、色彩画の緻密な挿絵をよく見ると、的確な言葉の組み合わせされているおもしろい絵本です。子どもと一緒に絵を隅々までよく読みとり、物にはそれぞれ名前という言葉がある事に気づくように読み語って下さい。ゆっくり絵を見せながら、静かに語りかけるのがコツです。
おやすみなさいおつきさまものが名前という言葉で表わされていることを知るのには、子どもの言葉の経験としてとても大切です。
この絵本を手掛かりにして、子どもたち自身の生活空間にある言葉に気づき、言葉探しや、言葉当て遊びに発展したら素敵です。
文章の中に、「こねこがにひき」「てぶくろがひとそろい」・・・とありますが、文章にないもので画面にあるものを見つけ出し、それを次々に言葉にできればおもしろい遊びになります。この絵本の挿絵には、日本の生活様式と異なる暖炉や人形の家があったりします。それはそれで新しい発見ですし、その他たくさんのもの、小動物達は身近な物ばかりです。物の数え方が物によって違う事に気づくのも楽しいでしょう。
おやすみなさいおつきさままた、部屋の中の空間と、部屋の外にも空間がある事がそれとなく語られます。
さらに、「おやすみ」と挨拶をかける事で、身近な物への親しみと優しい気持ちを感情移入する楽しさにも気づきます。
各場面に登場するネズミを探してみて下さい。思いがけぬところにいます。
最後にこの絵本の感心させられるところは、各場面に描かれている2つの時計の針を読むと、その出来事が何時から何時にかけての出来事であったか分かります。
本当に挿し絵の細部まで良く工夫されている絵本です。
オバマ大統領が人生最初の1冊にあげたことで有名。




はははのはなし
はははのはなし
出版社 :福音館書店
著者   :加古 里子
定価   :¥945-
対象年齢: 5歳〜
はははのはなし

はははのはなし

はははのはなし

 6月4日は「むし歯予防デー」です。今月は、歯の大切さ、歯を丈夫に守る方法、むし歯にはどうしてなるのか、むし歯にならないようにするにはどうしたらいいかを教えてくれる絵本「はははのはなし」をご紹介させて頂きます。
まず、題名を見ると「はははのはなし」。表紙には、男の子と女の子が白い歯を見せて笑っています。そして、ページをめくると「ははは はっはっはっはっは」とみんな楽しそうに笑っています。ところが、みんな楽しそうに笑っているのに泣いている子がいます。どうして泣いているのでしょう?と始まり、この絵本はしゃれやユーモアを言いつつ、そこから大事なことをきちんと伝えるお話の流れになっているのがわかります。
「前歯」はごちそうを細かく切ります。ちぎります。きざみます。「奥歯」はごちそうをすりつぶし、くだきます。細かくちぎれて、すりつぶされたごちそうはお腹に入って栄養になります。もし、歯がなくてごちそうを細かくすりつぶさないといくら食べても栄養になりません。その大事な歯がどうして「むし歯」になるのでしょう?
ごちそうを食べたとき小さな「かす」が歯の周りに残り、この「残りかす」をえさにして「ばいきん」が増えます。「ばいきん」は、かたい歯を溶かす「酸」をつくります・・・と順序だてて、むし歯の原因、どうしたらむし歯にならないかを教えてくれます。
そして、なんでも食べること、丈夫な身体をつくること、日の光やよい空気の中で元気に運動することの重要さなど、身体へのつながりへと導いてくれます。
 まだ幼い子どもは、知識を項目ごとに分けて頭の中に整理することができません。知識をその知識を含んだお話や物語としてまるごと記憶します。こうした科学絵本は、面白いから、びっくりしたから、不思議だから子どもたちの記憶に残るのです。ときには、子どもたちの問いかけや疑問に答えくれるでしょう。
絵本をとおして、子どもたちにたくさんの不思議に出会ってほしいものです。科学絵本も物語絵本同様、ぜひ、子どもたちにたくさん読んであげて下さい。


その他の科学絵本を見る




わにさんどきっはいしゃさんどきっ
わにさんどきっはいしゃさんどきっ
出版社 :偕成社
著者   :五味 太郎
定価   :¥1050-
対象年齢: 3歳〜
わにさんどきっはいしゃさんどきっ

わにさんどきっはいしゃさんどきっ

わにさんどきっはいしゃさんどきっ

 もう1冊、愉快なわにさんと歯医者さんが登場する、人気絵本作家五味太郎さんの絵本「わにさんどきっはいしゃさんどきっ」をご紹介させて頂きます。
 ゆっくり遊んでいたいけど、むし歯になったわにさんは、しぶしぶ歯医者さんへ向かいます。同じくゆっくり遊んでいたいけど、わにさんが来たので、しぶしぶわにさんの治療をしなければいけない歯医者さん。そこから、愉快な二人のやりとりが始まります。
わにさんは歯医者さんを見て「どきっ」、歯医者さんはわにさんを見て「どきっ」。なんと、最初から最後まで同じ場面で同じセリフが二人の口からついて出てきます。
歯医者に行くのが怖いわにさんと、わにさんを診るのが怖い歯医者さんの心理状態を双方全く同じセリフで言い表す絶妙なやりとりがおもしろく、読み手の笑いを誘います。
治療が終わり、わにさん「ほっ」、歯医者さん「ほっ」。お互いに「たいへんしつれいしました いずれまた」と言うセリフからは、次ページで表現されている「いやいや もう にどとは あいたくないね」という心理状態の描写をシンプルな言葉のやりとりで見事に表わしています。そして、最後のページには「だから はみがき はみがき」と締めくくられています。幼い子どもにとって、100回聞く「はみがきしなさい」という言葉より、この絵本を読み聞かせることの方が何倍も効果があるかもしれないと思わせてくれるほど楽しいストーリーになっています。子どもたちが「はみがき」を好きになってむし歯を防ぎ、むし歯になってから行く怖い、痛いイメージの歯医者さんが、むし歯を点検しきれいにしてくれる気持ちのいい場所と歯医者さんのイメージが変わったらいいですよね。
その他「むし歯予防デー」の絵本は、「5月〜6月の絵本」でご紹介させて頂いております。




 いちご
  ・いちご
  出版社 :福音館書店
  著者   :平山 和子
  定価   :¥840-
  対象年齢: 2歳〜

今月は、以前「くだもの」の絵本でご紹介させて頂いた、平山和子さん作の絵本「いちご」をご紹介させて頂きます。
この絵本はイチゴの実がなるまでを時系列で追った絵本です。
イチゴの実が日に日に赤く色づき、甘いイチゴになっていく様子は本物かと見まがうばかり。子どもでなくても思わず食べたくなってしまいます。
1歳児の子どもでも皆イチゴが大好きですよね。おいしそうにイチゴを食べている姿を見ていると、内容は赤ちゃんの為の絵本ではないのですが、つい読んであげたくなる絵本です。
しかし、ただ読んであげるのではなく、「ほらここにイチゴがあるよ。おいしそうだね。食べてみようか?」そう言って絵の中のイチゴを食べるまねをして、遊びながら読んでいくと子どもはとてもおもしろがります。
いちごお母さんはみずみずしく赤いイチゴをおいしそうに食べるし、それを自分にもくれる。でも、青いイチゴは酸っぱそうな顔をして食べるのをやめてしまう・・・。子どもはお母さんのすることをじーっと見ていて、すぐにまねををして絵のイチゴを食べるふりをするでしょう。
茶目っ気のある子は、わざわざ青いイチゴを食べて、酸っぱそうに「ぺっ」とやるかもしれません。赤いイチゴしか食べない子もいるでしょう。そして、わざとお母さんに青いイチゴしかくれなかったりする子どももいるかもしれません。
いちごそうやって、子どもは、絵本で遊びながら大人と関わるのが嬉しいのです。この絵本は赤ちゃんにどうやって絵本を読んであげればいいのかという事を教えてくれます。
この絵本の文章は子どもが呼びかけて、それにイチゴが答えるという応答関係で成り立っています。その通り読むと、小さい子どもは理解できなくて「何を言っているんだろう?」と怪しげな顔をします。ですから、初めは文章をその通り読まず、例えば「いちごあまくなったかな?」「もうちょっとです」というやりとりも、「まだまだ?」「まだまだ」という単純な言葉の繰り返しに置き換えてあげます。
時には言葉をかみ砕いたりして、目の前にいる子どもの反応を見ながら、言葉を選んでもいいと思います。
いちごまた、赤ちゃんの間はどうしても部分だけに目がいって、その部分が全体を通して1つのつながりの中にあると言う事には気がつかない物です。そんな時に、最初から全部通して読むのではなく、飛ばして読んだりする工夫も必要です。あせらず何カ月もかけて少しずつ見るページを増やしていくのです。
この絵本からは、絵本を読むと言う事は、長い時間の経過を楽しむ事なのだなと教えられます。1冊の絵本でも、子どもの成長に合わせてその読み方は変化していって良いのです。この絵本を通して「いちご」の成長、時間の経過を子どもと一緒に楽しむとともに、子どもの成長や変化も楽しんで読んであげ下さい。


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どうぶつのおやこ
どうぶつのおやこ
出版社 :福音館書店
著者   :薮内正幸
定価   :¥780-
対象年齢: 8カ月頃〜
動物を描かせたら右に出る人がいないと言われる藪内正幸さんの絵本です。いろいろな動物の親子ばかりを描いた文字のない絵本ですが、写真より正確なのではと思えるほどの細密な絵で、しかも親子の暖かさが存分に表現されています。
 生後8ヶ月くらいから最初の絵本として与え始めるのに最適です。絵を見せながら「おさるのあかちゃん。かわいいね。○○ちゃんもかわいいかわいい(と、なでであげる)」とか、「キリンさんのおかあさん。首がながーいね。キリンさんのこども。かわいいね。」など、色々な事を話しかけますと、赤ちゃんも「アーアー」とか「ウーウー」とか言葉を出してきます。その一言一言に必ず反応してあげて下さい。ここから「言葉のキャッチボール(対話)」が始まります。
 赤ちゃんも自分が声を出すたびに、大好きなお母さんやお父さんの暖かい声、やさしい声、心のこもった声が返ってくるのでとても心地よく感じ、大好きな絵本となるでしょう。
 

どうぶつのおやこ
どうぶつのおやこ



 14ひきのあさごはん
14ひきのあさごはん
出版社 :童心社
著者   :いわむら かずお
定価   :¥1260-
対象年齢: 4歳〜

今月は、「14ひきシリーズ」など数々の作品が国内外でベストセラーとなり、親子三代に渡るファンも多いという絵本作家「いわむらかずお」さんの「14ひきのあさごはん」をご紹介させて頂きます。

おじいさん、おばあさん、おとうさん、おかあさんと子どもが10ぴき。
14匹のねずみの家族が家族との何気ない日常、自然の中で生きる喜び、言葉では語りつくせない温かさを伝えてくれます。
まず、最初のページを開くと、森に朝がやってきます。一番早起きのおじいさんが、まきで火を起こしています。次にお母さんが起きて、おばあさんが起きて、次々に子どもたちが起きてきて、お父さんも起きてきます。
みんな朝の身支度をすませると、朝ごはんの準備に取り掛かります。子ねずみの男の子たちは、14ひきのあさごはん野いちごを摘みに出かけます。丸木橋を渡って、涼しい滝の音を聞いて、途中で出会う動植物たち。そして台所では、おばあさんやお母さん、子ねずみの女の子たちがどんぐりパンを焼いています。お父さんはキノコの入ったおいしいスープを作っています。そうして、パンとスープと野いちごとジュースにジャム、朝ごはんの支度ができました。14匹の新しい1日の始まりです・・・

いわむらかずおさんが子どもの数を10匹にした理由を次のように語っています。「子どもの数は10匹くらいがちょうどいい。5、6匹が目的に向かって動いていれば、後の4、5匹が横道にそれてもストーリーが進んでいきますから。みんなと違う事をしている子がいるというのが大事なんですよ。人間は生まれた時からみんな違うもの。お互いの個性を認め合うのはとても大切。」
14ひきのあさごはん朝ごはんを食べる場面では、みんながパンやジュースやスープの配膳をしているそばでお花の頭巾をかぶっておどけている子がいたり、ケガをした指に薬を塗ってもらっている子がいたりしますが、それでも最後には朝ごはんの準備が整ってみんなでテーブルを囲みます。子ねずみたちのそれぞれの個性1人ひとりの違いを絵の中に上手く表現されているのが分かります。

「14ひきシリーズ」はスタートから30年近くの年月を経て、現在までに12冊刊行されています。国内でベストセラーになったばかりでなく、ドイツ、フランス、アメリカ、台湾、韓国など海外でも出版され、絶賛されています。家族が一緒にいる幸せと自然の恵みをたくさん得ながら暮らしていく幸せは、国や世代が違っても幸せの原点であることに変わりはありません。世界共通のテーマだからこれほど多くの人たちに愛されるのでしょう。


その他の14ひきシリーズはコチラ





ピータラビットのおはなし
ピータラビットのおはなし
出版社 :福音館書店
著者   :ビアトリクス・ポター
定価   :¥735-
対象年齢: 5歳〜

ピータラビットのおはなし


ピータラビットのおはなし


ぼくも私も、お父さんもお母さんも、おじいさんもおばあさんも、ひいおじいさんもおばあさんも、イギリス人の皆が愛してきた絵本があります。イギリス人なら誰もが子どもの時に読んでもらい、その子が親になった時にわが子に読んであげたいという、うさぎの物語。
手のひらサイズの小型絵本「ピーターラビットのおはなし」をご紹介させて頂きます。
主人公のうさぎのピーターのお父さんは、お百姓のマクレガーさんにつかまってミートパイにされてしまいます。お母さんにマクレガーさんの畑には行ってはいけないと言われたのに、いいつけを守らずにマクレガーさんの畑で野菜を食べてしまいます。
見つかって命からがら逃げ出すときに、ピーターは大事にしていた上着を脱ぎ捨てて来てしまいます・・・
ピーターのお父さんがミートパイにされてしまったという、一見残酷な語りもあり、大人は子どもに見せる事をためらいがちですが、子どもはかわいそうなどど一言も言わずに、物語をそのまま受け止めて楽しむ事が出来るのですから不思議ですよね。
子どもは自然界の命の営みというものを自然に理解できるのかもしれません。
かわいい絵本の中には、かわいさだけでなく、自然界で引き起こされる現実の厳しさ、恐ろしさを教えてくれるものもたくさんあります。どうぞ読み手のお母さんお父さんはためらわずに元のお話に忠実な物語を子どもと達に読んであげて下さい。
「ピーターラビットのおはなし」は古典として100年以上も読み継がれイギリス以外の多くの国でも翻訳出版されています。
もちろん日本でも出版され、以来30年にわたり子どもたちに愛され続けている絵本です。
それほどに子どもにも大人にも魅力のある絵本だと思います。




もけらもけらの表紙
・もけらもけら
作者:山下洋輔 中辻悦子
画家:元永定正
発行:福音館書店
定価:¥1260-
対象年齢:2歳〜
もけらもけら見開き1

もけらもけら見開き2

もけらもけら見開き3

今月は山下洋輔/文・元永定正/絵 「もけらもけら」を紹介します。
ジャズピアニストの山下さんが音のリズムを「ことば」で表現し、その「ことばのリズム」を現代美術の巨匠・元永さんが「絵」にして出来上がりました。
子ども達はこの本を読んでもらって「ことば」を耳から聞き「絵」を読んでそのリズムを楽しみます。
子ども達は大好きな本ですが、大人は抽象的な絵は苦手な人が多いらしく「なにこれ?」「何が描いてあるの?」とよく聞かれます。そして「よく解らない」とも言われます。
元永さんは前述のように現代美術、モダンアートでは世界的な人で、その作品はニューヨークモダンアートミュージアム、京都国立近代美術館など、世界中の美術館にパーマネントコレクションされています。
その美術を子ども達は「解かろう」とせず、純粋に「楽しんで」いるのです。
そして子どもの純粋な感覚を大人になっても持ち続けている人が芸術家になるのではないでしょうか。
いろいろな分野の本物の芸術家が、子ども達の為に書いたり描いたりして下さることにより、子ども達が「本物」を楽しむことができるのは素晴らしい事だと思います。
この他の元永さんの作品を上の検索で著者名で検索してみて下さい。



クリスマスの3つのおくりもの
          (3冊セット)
出版社 :福音館書店
著者   :林明子
定価   :¥1351-
対象年齢: 3歳〜














今月はクリスマスの魅力がたっぷり詰まった3冊セットの小さな絵本「クリスマスの三つのおくりもの」をご紹介させて頂きます。

【ふたつのいちご】
おかあさんがクリスマスケーキを作りました。しかし、イチゴが3つしかのっていなかったので、かすみちゃんはイチゴを探しに森へ出かけます。
そこで出会ったウサギにハンカチを貸してあげたかすみちゃんはウサギからお礼にイチゴをもらって家に帰ります。
きれいにイチゴが並んだクリスマスケーキを見て家族みんなで大喜びします。

【サンタクロースとれいちゃん】
クリスマスの夜、れいちゃんはサンタクロースが来るのを待っていました。でも、サンタクロースはなかなかやってきません。
れいちゃんは待ちきれなくなって、サンタクロースを探しに外へ出て行きます。
森からサンタクロースが出てきましたが、れいちゃんに気がつかず通り過ぎてしまいます・・・

【ズボンのクリスマス】
今日はおじいちゃんとおばあちゃんのうちのクリスマスパーティーに出かける日です。しかし、もっくんはなかなか支度をしようとしないで遊んでいます。「したくのできないこは、おいていこう」とお父さんが言いました。
するとズボンがもっくんの背中をつつきました。待ちきれなくなったずぼんは外に飛び出して行きました。

3兄妹それぞれに起こった小さなファンタジーを、人気作家の
林明子さんの絵と文章が可愛く楽しく温かく描かれています。
持ち運びに便利な11cm×12cmサイズです。


その他のクリスマスの絵本はコチラ




おおかみと七ひきのこやぎ
おおかみと七ひきのこやぎ
出版社 :福音館書店
著者   :グリム童話
定価   :¥1470-
対象年齢: 4歳〜
おおかみと七ひきのこやぎ

「おおかみと七ひきのこやぎ」
今月はグリム童話の名作「おおかみと七ひきのこやぎ」をご紹介致します。
表紙を見ると七匹の子やぎが家の内側から扉を閉めています。
扉の窓から見えているのは白い足。この扉は開けても良いものでしょうか?この物語をとてもよく語っている表紙です。

表紙を開けると第一場面では、この物語の舞台となる風景が広がっています。物語の展開で重要な、やぎの家と井戸も描かれています。お母さんやぎの「こやぎたちをかわいがるといったら どのおかあさんにもまけないくらいでした」という一文は、子どもたちにはとても嬉しくなる語りです。
食べものを探しに森に出かけるお母さんやぎが「おおかみに くれぐれも きをつけておくれ」「でも しわがれごえと あしのくろいのに きをつければ、すぐ わかるだろうよ」と、子やぎたちに注意をして出かけて行きます。
この場面では、必要なもの以外は極端に省略されて描かれており、余白がきわだちますが、それがかえって聴き手の気持ちを物語に集中させます。
おおかみと七ひきのこやぎページをめくると、さあ、おおかみの登場です。強くて怖いおおかみが力強く描かれています。


扉を開けさせようとするおおかみ。お母さんのいいつけを守って声と足を確認する子やぎ。おおかみも、あの手この手で扉を開けさせようとします。

おおかみと七ひきのこやぎ

8場面では、表紙と同じ挿し絵が使われています。
しわがれていない声と白い足を確認した子やぎたちはついに扉を開けてしまいます。
ページがめくられると、つまり扉が開かれると画面いっぱいに描かれた部屋におおかみが飛び込んでくるという劇的な演出がされています。
さあ、七匹の子やぎたちはどうなってしまうのでしょうか?
グリム童話をホフマンの絵で描かれた、40年以上読み続けられている名作です。
おおかみと七ひきのこやぎ


その他の「グリム童話」はこちら




あおくんときいろちゃん
あおくんときいろちゃん
出版社 :至光社
著者   :レオ・レオニ
翻訳   :藤田 圭男
定価   :¥1260-
対象年齢: 3歳〜

あおくんときいろちゃん

あおくんときいろちゃん

20世紀の絵本の歴史に残る傑作の1つで、オランダの有名な絵本作家レオ・レオニの作品「あおくんときいろちゃん」をご紹介させて頂きます。
 青色のあおくんと黄色のきいろちゃんはとても仲良し。ある日、留守番を頼まれたあおくんは、きいろちゃんと遊びたくてたまらなくて家を飛び出しました。ところが、きいろちゃんの家は空っぽ。あちこち探しまわり、ようやく街角でばったり会うことができました。二人とも嬉しくて嬉しくて、つい重なってみどり色になってしまいます。みどりの玉になった二人は公園で遊んだり、トンネルくぐりをしたり、さんざん遊んで家に帰ると両親はけげんな表情。「おや このみどりのこ うちのこじゃないよ」と言われてしまいます。二人は悲しくて泣きだし、泣いて泣いて青色と黄色の涙の粒になって、やっともとの姿に戻るのです。
 作者のレオ・レオニが、孫たちを楽しませようと思いついた遊びから生まれた作品だけあって、遊びに徹した楽しいデザインに感心します。大人の価値基準から見ると「よくわからない」といった感想を受ける絵本ですが、1962年にニューヨークの中央図書館員にこの絵本に対する意見を求めたところ、「この絵本を読んでやると子どもたちはとても喜びます」と言われたそうです。絵本を見る子どもの眼と大人の眼との違いについて、改めて考えさせる絵本です。子どもは、物語と挿絵の表現との質的に完璧な一致を直感して、あおくんときいろちゃんの仲良しの世界へ素直に入り込んでゆくのです。普段見慣れている挿絵とは異なった抽象表現であっても、絵が物語にぴったりと合っていれば、子どもの想像力はいきいきと拡がっていきます。むしろ大人は、子どもの眼や感覚をとおして、見たり聴いたり、感じたり思ったりすることを学び直すことが大切ですよね。絵を読む子どもたちは、新しい発見をし、早速遊びに発展させることでしょう。
          その他の「レオ・レオニの作品」




くだもの
くだもの
出版社 :福音館書店
著者   :平山 和子
定価   :¥840-
対象年齢: 0歳〜
くだもの


くだもの

 今月のおすすめ絵本は、あかちゃんに人気の絵本、平山和子さん作「くだもの」をご紹介させて頂きます。まず、あかちゃんに「どんな絵本から始めたら良いか?」と頭を悩ますおかあさんは多いことと思います。動物の絵本や乗り物の絵本などたくさん種類のある中、年齢を問わず人類共通のもっとも普遍的な関心事「食欲」は、生命の根源です。ですから、あかちゃんだって大人同様「たべもの」に興味津々なのです。たべものの絵本の中でも特におすすめなのが、今回ご紹介させて頂く「くだもの」です。
絵本の中に登場するくだものの絵は、写真や実物に負けることのないリアルさ、おいしさを目に訴えかけてくるほどです。最初の見開きはつやつや光った大きいすいかです。「すいか」と文字が書かれているだけですが、絵を見せ「これ、なーんだ?」とあかちゃんに問いかけてみるのもいいでしょう。「すいか」と答えれば、「そう、よくわかったわね」とほめてあげたり、黙って考えていたら「すいかよ」と教えてあげるなど、読み聞かせるというのではなく、絵本であかちゃんとの対話を楽しんでみて下さい。次ページで「さあ、どうぞ」とすすめられれば、あかちゃんは手を出し、食べるまねをしたりするでしょう。もし、戸惑うようだったら、おかあさんが手を出し食べるまねをして「あー、おいしい!」と言ってあげればよいのです。
いつもの優しいおかあさんの声で、表情豊かにあかちゃんに話しかけてあげて下さい。そうすれば、あかちゃんは安心して絵本に入れます。絵を見ながら話しかけ、あかちゃんのうなずきや発語を誘いながら進める対話のリズムが何より大切なのです。


その他のたべものの絵本を見る




バルンくん
バルンくん
出版社 :福音館書店
著者   :こもり まこと
定価   :¥600-
対象年齢: 1歳〜
バルンくん


バルンくん

もう1冊、子どもに人気の乗り物絵本「バルンくん」をご紹介させて頂きます。
なんと言っても男の子は車や電車が大好きですよね。どういうわけか、男の子は生まれつき「乗り物大好き!」といった感性を持っているようです。
車の絵本の中でおすすめなのが「バルンくん」。これも、文字の通り読むのではなく、「バルン バルン バルルン」と勢いよく車の音に軽快なリズムをつけてやって下さい。遠慮したり躊躇したりせず、子どものエネルギーに火をつけるようなイメージです。そうすると子どもはたちまち笑顔になります。なにしろ、元気よく車を走らせればこっちのもの、男の子はすぐのってきます。「バルンくん」の絵本の表紙を見てもわかるように、正面が顔でライトは眼。子どもにとって車は動く機械ではなく、自分たちと同じ命をもつ生き物なのです。だから、いきいきとした無邪気なバルンくんに、自分を投影することでしょう。ぜひ、おかあさんは、車のエンジンをかける役目となり、子どもと一緒にドライブに出かけてみて下さい。きっと、子どもはなんとも言えない解放感を味わうことでしょう。


その他の乗り物の絵本を見る




あらいぐまとねずみたち
あらいぐまとねずみたち
出版社 :福音館書店
著者   :大友 康夫
翻訳者 :木島 始
定価   :¥840-
対象年齢: 3歳〜


あらいぐまとねずみたち


あらいぐまとねずみたち


あらいぐまとねずみたち



 もう一冊、あらいぐまの家族とねずみの家族の心温まる絵本「あらいぐまとねずみたち」をご紹介させて頂きます。
 森の小川の岸辺でいつものようにあらいぐまの親子がお皿を洗って夕飯の片づけをしています。家に戻ると誰かが家に入った気配が。豆やじゃがいもの袋がなくなっていました。盗んだのは誰かつきとめるために、あらいぐまの親子はこぼれた豆つぶの後をたどって草原にやって来ると、がやがや騒がしい声が聞こえてきました。
そこでは、ねずみたちが大勢で遊んでいました。「あっ!ぼくの汽車使ってる」、「豆の袋もあるぞ」、前になくなった絵本もヨットも、おとうさんのめがねもおかあさんの毛糸もちゃんとあるではありませんか!腹を立てたあらいぐまの親子は、ねずみたちを追いかけ、太っちょねずみを捕まえます。許しを乞うねずみたちに、食べるものがないと知ったあらいぐまのおかあさんは、ねずみ村に畑を作ることを提案します・・・
 あらいぐまの家族とねずみの家族の助け合う姿が明るくほのぼのと描かれているストーリーの中には、「あっ、ヨットはここだ」とか、「めがねはこれで、毛糸はこれ」と子どもが発見をして楽しむことのできる絵本になっています。
「どんなうちにしたらいいか、せっけいずがひつようだ」とあらいぐまのおとうさんが言う場面では、子どもたちはきっと、「せっけいずってなんだ?」と思うことでしょう。「家を建てるのに必要なものだから、あらいぐまのおとうさんが持っているこれかな?」とちゃんと絵と照らし合わせて理解していくことができるでしょう。
そして、完成した家の中を見て、「ぐりとぐらの絵本はここにある」とか「仮面ライダーがいる」と、どんどん新しい発見を楽しむのです。
この絵本の良いところは、絵本の世界で遊べるような自由さがあることです。子どもたちがいろいろな入口からいろいろなやり方で絵本に参加し、作り替え、ふくらませたりすることのできる楽しさがたくさん隠されています。




まどからおくりもの
まどからおくりもの
出版社 :偕成社
著者   :五味太郎
定価   :¥1,050-
対象年齢: 3歳〜


まどからおくりもの


まどからおくりもの

<まどからおくりもの> 
今月は、とっても楽しい絵本をたくさん描いている五味太郎さんのクリスマスの仕掛け絵本をご紹介させて頂きます。
クリスマスの夜にサンタクロースがやってきて、窓から贈り物を配ってまわります。
ページが穴あき仕掛けになっていて、窓から見える中の様子(動物の顔や形、色など)を見て、サンタさんは誰の家か判断して贈り物を選びます。
ところが、ネコさんのおうちだと思ったらブタさんのおうちだったり、キツネさんのおうちだと思ったらワニさんのおうちだったりと、とんだ勘違いをしてしまったサンタさんは、はちゃめちゃなプレゼントを贈ってしまいます。でも、翌朝みんなサンタさんからもらったプレゼントに大喜びします。あわてもののサンタさんの思い違いが引きおこす楽しさ抜群の絵本です。
窓の部分に穴が開いていて、次のページがのぞき見できるようになっているので、まだサンタクロースやクリスマスの意味がわからない小さな子どもでも楽しめます。「あな」に興味をもつ1歳前後の子どもには、シーズン問わずおすすめの絵本です。
文章の短さは想像力をかきたて、当てっこを楽しんだりすることもでき、ほのぼのした内容は親子でクリスマスの気分を味わうのに最適です。




サンタがきたらおこしてね
サンタがきたらおこしてね
出版社 :女子パウロ会
著者   :やすい すえこ
定価   :¥1,050-
対象年齢: 3歳〜

 <サンタがきたらおこしてね>
 子どもたちに大きな夢をもたらすサンタクロース。今年もたくさんのプレゼントを持ってソリでやって来ます。そんなサンタクロースに「今年こそは絶対に会いたい!」と子どもたちの切なる思いが伝わってくる絵本を、もう1冊ご紹介させて頂きます。
 「早く来ないかなぁ」、「ぼく、寝ないで待ってる。サンタが来たら“だいすき!”って言うんだ」、「わたしも!でも、もし、眠ってしまったら・・・サンタが来たら起こしてね」、「うん」。
そんな子どもたちのところへ、サンタクロースはやってきます。
煙突から寝静まった部屋の中へ入り、優しい言葉をかけプレゼントを置いて行きます。水中めがねをかけ、息を止めて海にもぐり、クジラやカメ、魚たちにプレゼント。
高い木に登り、小鳥の巣にも一つづ置いて行くサンタクロースの姿に、子どもたちは夢と想像をどんどんふくらませクリスマスを楽しみに待つことでしょう。

サンタがきたらおこしてね サンタがきたらおこしてね サンタがきたらおこしてね



ぐりとぐらのしりとりうたとおまじない
ぐりとぐらの
しりとりうたとおまじない

出版社 :福音館書店
著者   :なかがわりえこ
画家   :やまわきゆりこ
定価   :¥1,260-
対象年齢: 3歳〜

ぐりとぐらのしりとりうたとおまじない

ぐりとぐらのしりとりうたとおまじない


ぐりとぐらのしりとりうたとおまじない

ぐりとぐらのしりとりうたとおまじない

<ぐりとぐらのしりとりうたとおまじない>(2冊セット)
 青と赤のつなぎと帽子がトレードマークの野ねずみ「ぐりとぐら」。子どもたちが大好きな人気の「ぐりとぐら」の絵本に、新しく手のひらサイズの絵本2冊セットが加わりました。今月は「ぐりとぐらのしりとりうたとおまじない」をご紹介致します。
声を出して口ずさみたくなるリズミカルな文に、愛らしく楽しい絵が添えられた言葉遊びの絵本で、かわいい2冊の絵本がセットケースに入っているので、入園祝い・お誕生日などのプレゼントに最適です。
・ぐりとぐらのしりとりうた
「一月はおしょうがつ つるとかめ めでたい いずみのみずを のむ むびょう そくさい いちねんかん」、「五月はさつき きつつき きのみき きように つつき きくいむしを おいだした」、「七月はたなばた たぬき きつね ねこ こぶた たんざくかいた たくさん さんかく くにゃくにゃと」・・・
一月から十二月までの季節感あふれた行事や出来事を、軽快なリズムにのって愛らしい動物たちがぐりとぐらと一緒に表現してくれる楽しさ満点の絵本です。
・ぐりとぐらのおまじない
「あめがふろうと かぜがふこうと きょうは いいことあるように ちちんぷいのぱっ・・・」、「にんじんぎらいの にがむしが おさらのうえでにらんでも ちちんぷいのぱくっ・・・」、「なみだが でそうになったらば はを かみしめて なきむしおいだせ ちちんぷいのぽい・・・」 。おまじないを唱えると、不思議なことに気分爽快、元気いっぱい、みんな笑顔、困ったことや嫌なこともたちまち解決してしまいます。ぐりとぐらから子どもたちへエールを贈る応援歌のような楽しいおまじないが次々に登場します。
 家でも、公園でも、電車の中でもいつでもどこでも子どもたちのそばに置いてほしい、お出かけにも最適な小型絵本です。

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うさこちゃんとうみ
うさこちゃんとうみ
著者: ディック・ブルーナ
出版社: 福音館書店
対象年齢: 1歳〜
価格: ¥630-


うさこちゃんとうみ


うさこちゃんとうみ






今月は、赤ちゃんが五感をフルに使って楽しめる人気のディック・ブルーナの絵本「うさこちゃんとうみ」をご紹介させて頂きます。
ある日、うさこちゃんはお父さんと二人で海へ行きました。海岸で、大きな砂山を作り、波打ちぎわでは色や形のさまざまな貝を拾ってバケツに入れます。その後、うさこちゃんはおとうさんと海に入って遊びます。
楽しい海水浴の日の一日が、単純明快なストーリーで描かれ、それを語る、原色を生かしデザイン化された絵がこの絵本を特色づけています。
作者のディック・ブルーナは、この絵本に周到な計算を施しています。まずは絵本のサイズ。16.5cm×16.5cmの正方形にしていることです。小さな子どもの手に自然と収まるこの絵本は「おもちゃ」の一つにすぎないと、ブルーナは言い切ります。だから基本の正方形。もう一つの特徴は、登場人物が必ず正面を向いていることです。これは「読者といつも対話していたい」主人公の気持ちなのであって、絵本の中からじっと見つめられると、なぜか子どもは絵本から目が離せなくなってしまうのです。
そして、赤・青・黄・緑・灰・茶のブルーナカラーと呼ばれる限られた色しか使われていないのにも意味があります。選び抜かれた色を使い、シンプルで充分な表現力を持っている線は、視覚言語として読者に伝わりそのイメージの共有が作者と読者の間を通い合うことになります。
2005年、ブルーナの「うさこちゃん」は、誕生50周年を迎えました。シリーズとなっているこの絵本は、長年に渡って世界中の子どもたちに愛されている絵本です。

その他のディック・ブルーナの絵本を見る




おとうさんとあそぶ絵本
おとうさんとあそぶ絵本
著者: 角田 巌
画家: 角田 昭子
出版社: 文化出版局
対象年齢: 2歳〜
価格: ¥1,305ー

おとうさんあそぼう おとうさんとうみへ
おとうさんといっしょ
<おとうさんとあそぶ絵本>
日頃、忙しいおとうさんが「今日は、お父さんが絵本を読んであげるよ!」と、意気込んで自分の息子(娘)に絵本を開いたとしても、絵本というものに慣れてないので、読むのにちょっと気恥ずかしかったり、読みながらどこがおもしろいのかさっぱりわからない・・・など、絵本を読むのに躊躇していたりしませんか?
そんなお父さんに、絵本のおもしろさを実感してもらう絵本の入り口として、今月は「おとうさんとあそぶ絵本」をご紹介します。
「おとうさんあそぼう」「おとうさんとうみへ」「おとうさんといっしょ」の小さい冊子の3冊セットになっています。
この絵本のおもしろいところは、下の画像のように、ページを開く事によって1ページで2場面を表現してある所です。
おとうさんとどっちボールや鬼ごっこをしたり、海へ行って海水浴を楽しんだり、見開きページいっぱいに楽しい場面が登場します。節分や節句、誕生日、七夕、クリスマスなどの行事を盛り込み、絵本を読んであげることによって、おとうさんと子どもがどうやってコミュニケーションをとるかを教えてくれます。
おとうさんが絵本を積極的に読んであげるきっかけを作り、父と子のかけがえのない貴重なひとときが得られる絵本として役立つでしょう。
おとうさんとあそぶ絵本 おとうさんとあそぶ絵本 おとうさんとあそぶ絵本 おとうさんとあそぶ絵本



あかくんとまっかちゃん 「めっきらもっきらどおんどん」「きょだいなきょだいな」など、子どもたちに大人気の絵本の著者長谷川摂子さんの新しい絵本です。
2冊とも主人公はなんと「積み木」です。主人公以外にも、橋や街並み、ジャングルジムやシーソー、ホットケーキに至るまで、すべて積み木で描かれています。
その積み木は、スイスのネフ社の代表的な積み木「リグノ」です。定評のある長谷川摂子さんの文章はもちろんの事、シンプルで美しいリグノ積み木が人に見えたり、台所に見えたり、子どもの想像力でお話しの世界が広がります。
具体的な物が無いと遊べなくなった現代の子どもたちに、例えばままごと遊びでお手玉がリンゴになったり、おにぎりになったりする「見立てる」という遊びに欠かせない「想像する」ということを教えてくれる絵本です。

・リグノつみ木を見る
・あかくんとまっかちゃん
文:長谷川摂子
構成:田宮俊和
発行元:福音館書店
定価:¥1365-
対象年齢:4歳〜
ぼうしころころ
・ぼうしころころ
文:長谷川摂子
構成:田宮俊和
発行元:福音館書店
定価:¥1365-
対象年齢:4歳〜

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